阪神・高山 岡田超え110安打 二塁打3本で虎新人最多12度目猛打賞

[ 2016年8月25日 06:15 ]

<D・神>3回1死二塁、先制となる右翼フェンス直撃の適時二塁打を放つ高山

セ・リーグ 阪神5―1DeNA

(8月24日 横浜)
 狙い球ではなかった。簡単なコースでもない。本能的な反応と天性のバットコントロールで内角高めの直球をしっかりと芯に乗せた。3回1死二塁、阪神・高山の先制の右越え二塁打は、非凡さが凝縮された技ありの決勝打だった。

 「その前のフォークを空振りしたので、それが頭にあって少し(打席の)前に立っていた。うまく打てたというか、自分でもビックリ。良いところに飛んでくれた」

 胸元への厳しい速球に体が開きそうになりながらも、グリップはしっかりと後ろに残した。肘をたたみ、バットを体に巻き付かせるように振り抜いた打球は、グングン伸びて右翼フェンス最上部に直撃した。

 初回の第1打席では、逆方向の左翼フェンス直撃の二塁打。6回の第4打席でも右翼線二塁打し、2戦連続の3安打だ。2リーグ制以降の球団新人では、前日に並んだ坪井(現DeNA打撃コーチ)を上回り、史上最多の12度目の猛打賞。110安打は岡田彰布を抜いて球団新人歴代7位だ。

 「記録のためにやっているわけじゃないですけど、それが結果的に連勝につながって良かった」

 新人王最右翼と目された「黄金新人」の名に恥じない活躍。だが、苦しい時期もあった。4月中旬には右肘の違和感を発症。不振だった6月末には先発を外れることも増えた。そんな時、チームメートに教えてもらったのが動画サイトに投稿されていた好調時の映像。寝る前にベッドで横になりながら繰り返し見た。

 「良い時も悪い時もあるけど、自分の良かった時の動画を見ると(その後の)感覚も変わってくるんで」

 不調になる度に、一回りたくましくなって帰ってくる。2試合連続の固め打ちで打率・277まで引き上げた。新人王は手の届くところにあり、未来の虎を背負って立つ存在であることは確実。その日は想像以上に早く到来するかもしれない。
 (山添 晴治)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ 1打席目に打てば、固め打ちすることができる。2、3本目が続くよね。レフトへの二塁打もそうだし、打球が上がるようになっていて、いま取り組んでいることができている。

 ≪98年坪井抜いた≫ルーキーの高山(神)が前日23日のDeNA戦に続き今季12度目の猛打賞。2試合連続の猛打賞はプロ入り初めてだ。2リーグ制後、新人の最多猛打賞は58年長嶋(巨)の14度で、12度以上は10年長野(巨=13度)以来8人目。阪神では98年坪井11度を抜く球団新記録になった。過去、セで12度以上の猛打賞を記録した4人は全て新人王を獲得しており、高山も続くか。

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2016年8月25日のニュース