ソフトB チーム4戦ぶり一発から5点 伏兵・江川昇格即先発V弾

[ 2016年8月25日 05:30 ]

<ソ・楽>7回1死、右越えソロを放ち右腕を突き上げる江川

パ・リーグ ソフトバンク5―0楽天

(8月24日 ヤフオクD)
 打った瞬間、確信して右手を上げた。1軍昇格即先発だったソフトバンク・江川が7回1死で迎えた第3打席。2安打と封じられていた塩見のフォークを捉えた。逆方向の右翼席へ先制の今季1号ソロ。日焼けした顔に思わず笑みが浮かんだ。

 「昨日まで(2軍の)暑い中でやっていて、顔は真っ黒です。まさかこんな晴れ舞台に立てるとは思いませんでした」

 10月に30歳になるプロ12年目。13年に12本塁打を放っているが、14、15年と2年連続で1本塁打に終わった。今季は4月に1軍昇格するも13試合で打率・238、2打点で6月2日に出場選手登録を抹消された。3カ月近く1軍に呼ばれることはなかったが、「僕は2軍の生活が長い。活躍すれば(若手に)勇気を与えられる」と決して下を向かなかった。

 浮上のきっかけをくれたのは野球を教えてくれた父・一良さん(59)だった。球宴休みの時期に「人よりグリップが上がりすぎや」とメールが届いた。最初は半信半疑も取り入れて、「こんなに助言が効いたのは初めて」と江川。一良さんは「そんなこと言ってましたか。昔から力む癖があるので」と喜んだ。

 工藤監督は「完璧に捉えたね」と称えた。チーム4試合ぶりの一発が呼び水となり、4日の西武戦(西武プリンス)以来16試合ぶりの2桁10安打で5得点。マイナス0・5ゲーム差で首位という日本ハムとの激戦が続く中、伏兵の一発をきっかけに打線は息を吹き返した。「腐らずにやっていて良かった」と江川。3連覇を目指す王者が層の厚さを見せつけ、首位の座をがっちり守った。 (福浦 健太郎)

 ≪最短26日M点灯≫首位ソフトバンクと2位日本ハムがともに勝ち、ソフトバンクの優勝マジック点灯は最短で26日に延びた。ソフトバンクが25日楽天戦と26日ロッテ戦に連勝し、日本ハムがロッテ、西武に連敗すればM26となる。

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