マエケン 野茂に並んだ 1年目13勝!球団新人記録あと1

[ 2016年8月25日 05:30 ]

<ドジャース・ジャイアンツ>5回、ペンスを三振に打ち取り雄叫びを上げる前田(AP)

ナ・リーグ ドジャース9―5ジャイアンツ

(8月23日 ロサンゼルス)
 ドジャースの前田健太投手(28)は23日(日本時間24日)、ジャイアンツとの首位攻防初戦に先発し、5回3失点で今季13勝目を挙げた。1年目の13勝はド軍の先輩・野茂英雄に並び、石井一久(本紙評論家)らが持つ球団の新人最多記録にもあと1とした。先発陣が相次いで離脱する中、開幕から唯一先発ローテーションを守る右腕がマディソン・バムガーナー投手(27)とのエース対決を制し、ジ軍とのゲーム差を2に広げた。

 首位攻防戦。求められたのはチームを勝たせる投球だった。3―3で迎えた5回、前田が勝利への執念を見せた。

 「甘くならないように球数をかけて打ち取った方がいいと思った」。2死一、二塁で強打者ペンス。暴投で二、三塁とピンチを広げたが、耐え抜いた。2ボール2ストライクからの6球目。内角直球で空振りを奪うと2度大きな雄叫びを上げ、4万6899人の地元ファンを熱狂させた。

 登板日をずらして中6日で3連戦初戦の先発を託された。自己ワーストタイの4四球(1敬遠含む)を許すなど5回で103球を費やして、暴投も2つ記録。持ち前の制球力が影を潜めた。2度のリードを守れなかったが、勝ち越しだけは許さなかった。この日、先発左腕カズミアーが故障者リスト(DL)入り。今季27人目のDL入りで大リーグワーストタイ記録だ。そんな窮地で粘り、ジ軍のエース・バムガーナー相手に勝ち投手になった。

 「味方に助けられることが多かった」と打線に感謝した前田。この日で25試合先発、140投球回に達し、新たに出来高175万ドル(約1億7500万円)を獲得した。昨オフ、契約前の身体検査で右肘に「イレギュラーな点」が見つかり、基本年俸は300万ドル(約3億円)に抑えられたが、出来高で計515万ドル(約5億1500万円)を勝ち取った。

 試合後、球団の配布資料の前田の欄には「The ROCK(岩)」の見出しが付けられた。故障者が相次ぐ中で岩のように動かないという意味だ。「ケガ人がたくさん出ているけど、しっかり自分の仕事をして最後まで投げきりたい」。岩のような強さでこれからも先発陣を支えていく。(ロサンゼルス・奥田 秀樹通信員)

 ≪日本人6人目≫日本投手が1年目に13勝を挙げたのは、1年目最多16勝のダルビッシュらに続き6人目。同学年のヤンキース・田中の1年目の勝ち星にも並んだ。ド軍の1年目投手では、石井一久、13年の柳賢振(リュヒョンジン)がマークした14勝が最多。

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