西武 大阪桐蔭初トリオ弾 球団史上初5発ぜ~んぶソロ勝ち

[ 2015年6月7日 08:40 ]

<D・西>4回無死、森はバックスクリーン左に本塁打を放つ

交流戦 西武5-1DeNA

(6月6日 横浜)
 今季初の5本塁打が、みんなソロ!西武が6日、球団では初となる珍しいアーチ攻勢で全得点を挙げ、DeNAに快勝した。いずれも大阪桐蔭出身の中村剛也内野手(31)、森友哉捕手(19)、浅村栄斗内野手(24)が各1本、エルネスト・メヒア外野手(29)は2発を披露。大阪桐蔭トリオの本塁打そろい踏みは初。2分けを挟んで2連勝。強打を押し出し上位2チームを追いかける。

 獅子たちの堂々たる行進だ。大阪桐蔭出身の3人が、ロッカールームから引き揚げる。先頭を切ったのは、森だった。

 「うれしいですね。(母校の先輩は)意識はしますよね。自分も…と」。桐蔭トリオで本塁打した喜びをかみしめた。

 まずは4番・中村だ。2回、左中間席への先制17号ソロ。2試合連続の一発に「(この球場は)よくボールが飛ぶ。横浜に移籍します」と冗談が飛んだ。続くは6番・森。2―0の4回、低めのスライダーをすくい上げた。バックスクリーン左に運ぶ12号ソロに「変化球にためをつくり、理想の方向に理想の打球が打てた」と胸を張る。さらには、3点リードの8回。3番・浅村が、バックスクリーン直撃の7号ソロで試合を決めた。

 急激なスピードで森の夢が実現している。開幕前、高卒2年目の19歳は「いつか大阪桐蔭の3人でクリーンアップを打ちたい」と目を輝かせた。5月27日巨人戦(東京ドーム)、メヒアが休養し、森が5番に昇格したことで実現した。そのわずか10日後、首脳陣からは「3兄弟」とも呼ばれる大阪桐蔭勢が、初めて本塁打でそろい踏みした。

 少年野球では全国一のレベルと称される大阪府で、もまれてきた。高校から他県に越境留学する生徒も多く、東北の強豪校で大阪弁が飛び交うのは有名。だが、3人は地元の強豪に進学し、鍛え抜かれた。同校の部訓は「一球同心」。チームの心をひとつに、一球一球に思いを注ぐ。シート打撃は1ボール2ストライクと追い込まれた状況から始め、集中力を磨く。小さな円形のトランポリンの上で行うティー打撃も独特の練習法。不安定な足元でもグラつくことのない、強い下半身をつくった。高校通算本塁打は中村が83本、浅村が22本、森が41本。3人で計146発を量産した。

 埼玉県所沢市の本拠地に、3人の大阪弁が飛び交う。春と夏、高校野球の季節になれば、自然と母校の話題で盛り上がる。田辺監督は、マン振りの森、浅村と、力感なくスタンドに運ぶ中村を「剛と柔」に例え、「大阪でもまれ、その中でも上位の選手たち。能力は高い」と称賛した。「後輩2人、頼もしいですね」と中村。3人だけで食事に行ったことはないという。「今度行こうかなー」と笑って言った。

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