デーブチルドレンでG斬り!楽天・中川7年目初のサヨナラ弾

[ 2015年6月1日 05:30 ]

<楽・巨>延長10回無死、サヨナラ弾を放った中川(左)と熱い抱擁を交わす大久保監督

交流戦 楽天4-3巨人

(5月31日 コボスタ宮城)
 延長10回、楽天・中川は大久保監督に「おまえで決めろ」と送り出された。マシソンの3球目、152キロ直球を捉えて3号ソロ。プロ7年目で初のサヨナラ打だった。

 初球、内角に抜けた変化球を見送り、続く直球も外れた。「2ボールだったので、ストレート一本に絞って、思い切り振りました」――。

 教えを忠実に守った。昨季までは1軍でわずか出場11試合。ファームで教えを受けたのが当時の大久保2軍監督で、ホワイトボードには「超積極的」「ストライクを逃さない」「自分のスイングをする」といつも書かれていた。カウントを取りにきた球を狙い、バットの先ながら、自分のスイングを貫いて左翼席へ運んだ。駆け出して迎えた大久保監督は、息子のように見守ってきた男の一打に「四球を取りにいくのではなく、直球一本に絞り、前に飛ぶのが凄い」と笑顔を浮かべた。

 プロ初本塁打は5月10日、ソフトバンクのスタンリッジから。2号は、この3連戦の初戦にポレダから放った。3発全て外国人投手。外国人投手に強い理由もまた「外国人」のおかげだ。

 昨夏、ファームで打てず苦しんでいた時に当時在籍したラッツからバットをもらった。「自分のより短かったんですが、しっくりきた」。オフには志願してオーストラリアでのウインターリーグに参戦。ラッツのものをヒントにし、それまでの34インチ(約86・4センチ)から33インチ(約83・8センチ)に短く変更したバットを使って打率・315を記録した。武者修行でつかんだ手応えのまま、今季も「短尺」を使い続け、5月4日に1軍に呼ばれると一気にブレークした。

 交流戦での巨人戦勝ち越しは06年以来9年ぶりだ。大久保監督は「伝統の巨人軍相手に若い選手が思い切って挑んでくれた。自信につながる」と上位浮上への息吹を感じていた。

 ≪5年ぶり3度目≫中川(楽)がプロ初のサヨナラ本塁打。チームの対巨人戦サヨナラ勝利は、10年5月21日の鉄平以来、5年ぶり3度目。うち本塁打で決めたのは06年フェルナンデス以来9年ぶり2度目で、日本人では中川が初めてだ。また、巨人戦の延長サヨナラ勝ちもこの日が初となった。投げては松井裕が交流戦初勝利となる今季1勝目。サヨナラで白星がつくのは今回が初めて。

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