藤浪 ダル超え夢じゃない 今季274K、ノルマ160回換算で

[ 2014年3月2日 05:30 ]

<神・ロ>3回を投げ、4三振を奪った藤浪

練習試合 阪神1―1ロッテ(6回表終了降雨コールド)

(3月1日 安芸)
 阪神の藤浪晋太郎投手(19)が1日、練習試合・ロッテ戦(安芸)に初先発し3回3安打1失点も4つの三振を奪った。今春の実戦計7イニングで12奪三振で、首脳陣が最低ラインとするシーズン160イニングに換算しても274個となり目標とするダルビッシュ(レンジャーズ)が日本ハム時代の2011年に記録した276Kを超える可能性も。黄金右腕がドクターKへと変貌を遂げようとしている。試合は6回表終了時点で降雨コールドとなり引き分けた。

 2年目の進化は如実に数字になって表れた。今春初先発のマウンドで藤浪が華麗な奪三振ショーを披露した。

 「ストレートの走りも悪くない。ストレートで空振りが取れている印象がある。三振を狙いに行っているところで、厳しいところ(コース)に投げられている」

 確かな手応えを口にして振り返ったのは初回だ。1番・岡田の二塁内野安打と根元への四球など1死二、三塁のピンチで4番・今江を迎えた。シーズンを想定すれば先制点は与えたくない。失点を阻止するには三振しかない場面で目の色が一変した。

 直球を外角、内角へ投じてともにファウルで追い込むと、最後は内角低めに三たび直球を投げ込み空振り三振。「あの場面で理想というか、リスクの低い投球ができた」と自画自賛の投球で後続も断ち無失点で終えた。

 2回は吉田に同点適時打を許しなおも無死一、二塁となったところで再びギアチェンジ。伊志嶺、根元をともにカットボールで空振り三振に仕留めピンチ脱出。3回は井上からカットボールで空振り三振を奪い、この日の登板を締めた。

 特筆すべきはこの日の4個を加えて、12個に積み上がった今春実戦での奪三振数だ。首脳陣は高卒2年目を迎える藤浪にローテーション投手として160イニング以上の消化を期待している。単純計算ではあるものの、ここまでの7回12Kで換算するとシーズン274個。セ・リーグの投手で奪三振250以上は、71年江夏(阪神)の267個までさかのぼる。藤浪が目標に掲げるダルビッシュが最多奪三振のタイトルを獲得した11年の276K超えも夢ではない。

 昨年は137回2/3を投げ126奪三振にとどまった19歳の変貌に中西投手コーチも「ボールの質は数段レベルが上がっている。(三振を)狙って取るのがベストだから」と大幅な上積みに太鼓判を押した。

 前日は「打たれても良い。収穫があることが大事」と語っていた安芸のマウンドで「どのコースにどういう球を投げたらファウルされるとか、その部分をつかみつつあるのは収穫です」と手応えをつかんだもよう。開幕へ向け着実にステップを踏む背番号19が「虎のドクターK」を襲名する。

 ≪高いハードル≫シーズン奪三振250以上を最後にマークしたのは、11年ダルビッシュ(日=276)。セ・リーグでは71年江夏(神=267)を最後に40年以上も現れていない。セの200以上で見ても、04年井川(神=228)以来の高いハードルとなるが、前記の3人はいずれも最多奪三振のタイトルを獲得している。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月2日のニュース