ドラ3岡ひろみ1号 明大元エース 狙え!開幕スタメン

[ 2014年2月24日 05:30 ]

<日・D>8回無死、ソロ本塁打を放ち中田の手荒い祝福をうける岡

オープン戦 日本ハム8-0DeNA

(2月23日 名護)
 歓喜の後にはスポ魂の世界が待っていた。待望のプロ1号を放ったというのに、日本ハムのドラフト3位の岡(明大)は試合後に練習場に向かった。相方は中田。先輩に投手を務めてもらい、志願のバント練習が始まる。恐る恐るバットを出す。空振りすると「おいっ!」と叱られた。その後は右翼で特守。2人の練習は日が暮れる午後5時まで続いた。

 結果を出せない中での一発だった。前日のロッテとのオープン戦は「9番・右翼」でフル出場し、1安打したが3三振。この日も2試合連続でバントミスをするなど失態を犯した。8回無死。冷静になって打席に入ると、中田の言葉を思い出した。「三振してもへこんで帰ってくるな。堂々としとけ。そういうところを(周囲は)見ているから」。目覚めた。育成ドラフト2位の万谷(ミキハウスレッズ)の144キロ内角直球を無我夢中で思い切りかち上げると、弾丸ライナーで左中間席へ突き刺さった。「バントの失敗を何とか取り返そうと思った。気持ちを切り替えてできた」。ベンチでは栗山監督が、中田が、顔をくしゃくしゃにして喜んでいる。普段は物静かな男も、さすがに殻に閉じこもっているわけにはいかない。「少し差し込まれたけど(スタンドに)入って良かった」。この時ばかりはとびっきりの笑顔を爆発させた。

 大学時代は二刀流として注目された。投手として入学した明大の2年春。府中市にあるグラウンドでのフリー打撃で、左翼席後方にある同大野球部で数々の名選手を育て上げた「御大」こと故島岡吉郎氏の銅像までかっ飛ばした伝説を持つ。大学関係者によると、銅像まで飛ばす選手は珍しいという。推定飛距離にして約130メートル。遠投120メートルを投げ、50メートルは5秒7で走る身体能力ばかりが注目されるが、打球の飛距離も魅力の一つだ。

 ここまで実戦6試合で18打数5安打、打率・278。十分な成績とは言えないが、栗山監督は「なにか一つ(良いプレーを)やる。その逆もあるけど」と笑う。狙うは外野手での開幕スタメン。指揮官の期待を受ける明大の元エースは、「うまくなるために毎日練習しなくちゃいけない」と必死に歯を食いしばった。

 ▼広島・山田和利編成部編成課長 肩も強いし、一発もある。外野経験は少ないと聞いていたが、普通に守れていた。面白いと思う。

 ▼楽天・関口伊織スコアラー(岡は)足も速くて、肩もいい。あの打球を見たらパンチ力もある。開幕スタメンを争うのではないだろうか。

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