“しぶとい2番打者”へ3年目の進化!菊池、右狙いで涌井打ち

[ 2014年2月24日 05:30 ]

<広・ロ>3回、涌井から適時打を放つ菊池

練習試合 広島1-10ロッテ

(2月23日 コザしんきん)
 3年目の進化だ。広島の元気印・菊池涼介内野手(23)が23日、ロッテとの練習試合に「2番・二塁」でスタメン出場。3回の好機に涌井から鮮やかな中前適時打を放った。外角球に逆らわず、今季の課題とする右方向を意識した打撃。三振数を減らし、しぶとい2番打者へ。その成果は今春、確実に表れつつある。

 成長を感じさせる打撃だった。3回2死一、二塁の好機で迎えた菊池の第2打席。試合開始早々ながら5点差を追い、マウンド上には西武時代にに沢村賞を取った涌井がいた。3ボールから、打てのサインに応じて2球ファウルし、フルカウントからの6球目だ。

 「とりあえずランナーを還したかった。(狙いは)真っすぐ一本です」

 外寄りへ投じられた141キロの直球。快音を響かせた打球は瞬時に中前へ抜け、菊池の思惑通り二塁走者の会沢が生還した。着目すべきは結果ではない。昨季までなら引っ掛けていたかもしれない外角球。それをコンパクトにはじき返した内容にこそ価値があった。

 「自分の中で感じがよかったと思うのは、それよりも3打席目。あの打球はうまく打てた。頭がクリアでした」

 チーム唯一の適時打よりも、手応えを強調したのは5回だ。カウント2―2から唐川が投じた真ん中高めチェンジアップを、右中間へはじき返した打撃。安打性の飛球は中堅手・荻野貴の好捕に阻まれたが、これもまた今春のこだわりを体現したシーンと言っていい。

 三振数を減らし、出塁率を高める―。活路を求めたのが中堅から右への打撃だ。何しろ、昨季の121三振はチーム最多で、リーグでもクラーク(中日、昨季限りで退団)の130に次ぐワースト2位。2番先発時での比較でも、97試合で37三振の阪神・大和に対し、菊池は99試合で85個と、差は歴然だった。

 「常にセンターから右を意識して打っている。意識が大事。そうすれば三振は減るし、効果的な一打も増えると思う」

 新井打撃コーチは、この日の打撃をそう評価した。中京学院大時代は常に中軸を任され、2番打者の役割など考えたこともないという。いきおい、昨季は2番では異例の11本塁打を放った。世評を得た守備力とともに、そのパンチ力は菊池が持つ魅力の一つだ。

 「右に打てれば幅が広がる。今は右へ打つことしか頭にないッス」

 2番打者が思い切りのよさと、しつこさを兼ね備えれば最強。歩みは順調だ。

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2014年2月24日のニュース