クールな男が変わった!能見 熱~く開幕宣言「気持ちはそこに」

[ 2014年1月16日 08:25 ]

自主トレを公開し、キャッチボールで汗を流す能見

 阪神の能見篤史投手(34)が15日、沖縄県宜野座村の宜野座球場で自主トレを公開し、開幕カードとなる3月28日からの巨人3連戦(東京ドーム)に照準を合わせることを明言した。加えて、自ら責任を背負うべく「勝負強さ」「連敗ストッパー」などエース4カ条を掲げた。V奪回のキーマンとなる左腕は2年ぶりの開幕投手へと歩を進めていく。

 狙いは定まっていた。土台づくりに向け14日から恒例の沖縄自主トレを開始したばかりだが、能見が見つめる視線の先には開幕戦があった。クールな印象が強い男が珍しく、秘めた思いを言葉にした。

 「(開幕投手は)僕が決めることじゃないが、自分はそこに(照準を絞って)持って行く。(開幕からの逆算は)3月からになるけどね。僕の気持ちは、そこに持って行く」

 昨季は日本代表の一員として第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場したこともあり開幕投手をメッセンジャーに譲った。144分の1ではあるが、特別な1試合であることは確か。その重圧は計り知れないものもあるが、経験した投手にしか分からない充実感もある。その快感をもう一度と…公言することで自らを奮い立たせた。

 能見の思いを、より強くさせる要素がある。相手は王者の巨人。Gキラーと言われた左腕も昨季の対戦成績は3勝3敗、防御率2・83と満足いく内容ではなかった。宿敵を叩かない限り、9年ぶりのV奪回は見えてこないだけに、出はなをくじくことは大きなアドバンテージとなるはずだ。

 「優勝が第一目標。その中で自分が何をできるかを考えながらやる。今までの自分ではダメ。もう一つレベルを上げないと。今年はより一層、思っている」

 昨季は25試合に先発し3年連続2桁となる11勝7敗、防御率2・69も自身では胸を張れるものではなかった。自らの成長へエース4カ条ともいえる「安定感」「勝負強さ」「若手への手本」「連敗ストッパー」を今季の目標に掲げた。

 「惜しくも負ける、ということをなくしたい。味方が点を取れないときに、どう抑えるか。チームが沈みかけているときに勝ちたい。防御率も良くしたいし…。まだまだできることはある」。さらなる高みを目指し背中と態度で投手陣を引っ張る覚悟も示した。

 「晋太郎とか若手も出てきている。負けられない。ただ(岩貞らも)聞きたいことがあれば経験上で言えることはある」

 国際舞台も経験した先輩として今後は積極的に若手にも目を向ける。もちろん、ライバル心は忘れていない。自他共に認める真のエースへ―。背番号14が突き進む。

 ▽11年開幕時 前年14勝の久保とともに開幕投手の最有力候補に挙げられたが、3月2日のオープン戦初登板時も「まずはローテを勝ち取れるようにしたい」と控えめだった。しかし、3月11日に東日本大震災が発生。当初は25日だった開幕が延期されることになり、23日には首脳陣が日程変更に関係なく能見に託す方針を固めた。初の大役が決まった左腕は「(この状況での調整は)なかなか難しいんですけどね。気持ちの面はしっかり持つようにしています」。

 ▽12年開幕時 キャンプ最終日の2月29日、報道陣からの「開幕に投げるつもりで調整するか」という問いかけに「つもりというのはないですけど、言われたら」と話すにとどめた。開幕前日の3月29日に予告先発で名前が発表されても「何の実感もないです」。ただ、和田監督は2月29日に本人に直接伝えていたことを明かし、その時の反応を「本人の自覚というかね。来たな、という感じが伝わってきた」と振り返った。

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2014年1月16日のニュース