松井裕 カットボール習得へ 森友は「いらん」ダメ出しも本気

[ 2014年1月16日 05:30 ]

キャッチボールでストレートを投げる松井裕

 早くも新球を投げた!楽天のドラフト1位の松井裕樹投手(18=桐光学園)が15日、宮城県内の仙台大学のグラウンドで、プロで使用するために新調したグラブを手にキャッチボールを実施。ドラフト2位の内田靖人捕手(18=常総学院)を相手に習得を目指すカットボールも投げた。怪物左腕が披露した90球のデモンストレーション。シーズン開幕までに新球を完全習得し、プロの世界に殴り込む。

 冬晴れの空の下、松井裕が投じたボールが鋭く変化した。仙台大のグラウンドで、体力測定前のアップも兼ねて行われたキャッチボール。プロ入りに際して新調した黄色のグラブを手に90球を投じた。得意のスライダー、チェンジアップ、カーブだけではない。完全習得を目指しているカットボールも6球投げた。

 「きょうは少し暖かかったし、久々に屋外だったので強めに投げた。カットは試合で投げたことはない。まだまだです」

 桐光学園2年に出場した夏の甲子園で怪物伝説がスタートした。1回戦の今治西から10者連続を含む大会最多の22奪三振。特に落差のあるスライダーが「プロ級」と評された。3年夏は神奈川大会準々決勝で敗退。そこからプロを見据えてカットの習得を目指した。カットは大きな弧を描くスライダーとは対照的に小さく横に変化する球種。そのため左投手は、主に右打者の内角に投じてバットの芯を外すことを狙う。制球力を高めれば打ち損じも誘えて、球数も減る。

 ただ、怪物左腕といえども簡単にはマスターできない。8月には18Uワールドカップ(台湾)の日本代表に選出されたが、投球練習で西武の森(大阪桐蔭)にカットを投じたところ「いらん」と一蹴された。結局、その大会ではカットを投げることはなかった。

 この日もキャッチボールでコンビを組んだ内田から「まだ(横回転でなく)縦の回転」と合格点をもらうことはできなかったが、今後も練習を続ける意向だ。パ・リーグは西武の中村、ソフトバンクの内川ら右の強打者が多い。カットに自信を持てれば投球の幅は広がり、昨季24勝無敗で今季からメジャーに挑戦する田中が07年に受賞して以来となる高卒新人の新人王も夢ではない。

 キャッチボール中にはフォーシーム(直球)で従来の握りではなく、指を少しずらして投げることで新しい変化も模索。内田も「少し落ちた」と目を丸くした。「キャッチボールは投手にとって大事。そこからつかむこともあります」と松井裕。向上心に限りはない。

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2014年1月16日のニュース