熊崎コミッショナー 初仕事でマー君援護 寄付問題で調整指示

[ 2014年1月16日 05:30 ]

熊崎コミッショナー

 新ポスティング・システムでのメジャー移籍を目指している楽天・田中将大投手(25)の寄付問題について、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は15日、米大リーグ機構(MLB)から、条件付きで現時点では協定違反としないと回答があったと明らかにした。

 井原事務局長は「MLBから協定の第12条違反で何らかの対応を取ることは見送る、と連絡があった」と説明。その条件として(1)今後も事態を見守っていく(2)協定違反と疑われる事態があればMLB、NPB両者で協議する、の2点が付け加えられたという。一時は明らかな協定違反として警告書を楽天に送り、田中とMLB球団との契約を認めない措置まで視野に入れていたMLB。それが条件付きながら対応を見送ったのは、1日付で就任した熊崎勝彦コミッショナー(71)が事態収拾を指示し、NPBがMLBと協議を進めてきた結果だった。

 問題の発端は、楽天が昨年12月に移籍を容認した際に、田中が球場の整備などを目的に寄付を行う意向を持っているとの談話を発表。これをMLBは最も危惧していた古巣への利益還元に当たると指摘し、警告書に対する楽天の「協定は順守する」という回答にも説明不足としていた。こうした事態に、熊崎コミッショナーは協定の意義を最優先して調整するように求め、田中と楽天の間に利益還元に当たるような問題点は現時点でないということで、MLBから一定の理解を得た。

 強硬姿勢だったMLBが態度を軟化させたことで、田中のMLB球団との交渉に支障がなくなった。1日付で就任した熊崎コミッショナーにとっての「初仕事」が田中のメジャー移籍を後押しすることになった。

続きを表示

2014年1月16日のニュース