菅野 並のルーキーと違うワケ プロ最悪KO食らった中日にやり返した

[ 2013年9月2日 06:00 ]

<巨・中>初回無死一塁、バントを試みた井端に速球を投げた菅野。ボールの球威に井端はバント失敗

セ・リーグ 巨人2-2中日

(9月1日 東京D)
 球威は最後まで衰えなかった。同点の9回2死、巨人・菅野は高橋周を1ボール2ストライクと追い込む。131球目の145キロ直球を外角低めに完璧にコントロールした。見逃し三振。力強く右拳をつくり、マウンドを駆け降りた。

 「9回まで投げられたことは僕としてもチームとしても良かったと思う。ぎりぎり合格点という感じですかね」

 先制してもらった直後の2回。抑えたい気持ちが力みに変わった。2四球などで1死満塁とし、谷繁の適時打などで逆転を許した。「気持ちのコントロールができなかった」。だが、ただでは転ばない。「2回は(投球間隔が)長かったと思うので、捕ったらすぐ投げるようにした」と、3回からテンポアップした。森野、和田、平田の主軸をわずか11球で3者凡退で仕留め、4回以降は二塁すら踏ませなかった。新人王を争うヤクルト・小川に並ぶリーグトップの12勝目を逃したが、プロ3度目となる最長9回を投げ、川口投手総合コーチも「奮起したね。攻撃的な投球になっていった」と称賛した。

 8月18日、この日と同じ相手、同じ舞台でプロワーストの2回1/37失点KOを食らった。制球力の高さが逆にあだとなり、変化球がストライクゾーンに集まるところを狙われた。並のルーキーなら、恐怖心が芽生えてもおかしくないが、菅野は少し違う。「そういう思いがないと危機感がなくなる」。恐怖心をプラスに捉え、練習後に中日の映像を見直すなど入念な準備を行った。

 中継ぎ陣も踏ん張ってもぎとったドロー。2位阪神も敗れ、マジックは2つ減って一気に19となった。ルーキーの次回登板は8日の阪神戦(甲子園)だ。菅野は「球宴前に甲子園で早く降板した試合があるので、それを取り返したい」と言った。7月16日に4回3失点で降板したことを忘れていない。温厚な顔をして、負けん気の強いルーキーだ。

 ▼巨人・原監督(菅野について)あの1イニング(2回)は四球が絡んだ状態でね。よく投げたでしょう。

 ≪年間規定回をクリア≫菅野(巨)が9回、131球の力投。ゲーム130球以上は5月18日西武戦の136球以来2度目。また、9回以上を投げたのは

 月日 対登板勝敗イニング失

5・18西先発- 9 1延

6・15ソ完投○ 9 1 

9・1 中先発- 9 2延

 と3度目だが、うち2度が延長戦で勝敗なしとツキがない。なお、この日で投球回が148回1/3となり、年間規定回の144をクリア。防御率は試合前の3・04から2・91へとアップした。2リーグ制以降、巨人の新人が防御率3点未満でシーズンを終えると、66年堀内の1・39を筆頭に8人目となるがどうか。

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2013年9月2日のニュース