松井 冷や汗12K世界1勝 「ウソだろー」審判協議も助かった

[ 2013年9月2日 06:00 ]

<台湾・日本>6回2死一、三塁、ピンチを三振で切り抜けガッツポーズをする松井

第26回IBAF18Uワールドカップ1次ラウンドA組 日本4―1台湾

(9月1日 台中・インターコンチネンタル)
 松井、九死に一生を得る。18U(18歳以下)ワールドカップは1日、台湾で開幕し、1次ラウンドA組の日本は地元・台湾に4―1で勝ち、白星スタートを切った。先発した桐光学園・松井裕樹投手(3年)は8回、159球を投げ、8四死球を与えながらも1失点12奪三振の力投。6回には左翼ポール際にあわや逆転3ランとなる大飛球を浴びたが、ファウルとなって命拾いした。日米15球団以上のスカウト陣が視察する中で、奪三振ショーを繰り広げた。

 肝を冷やした。しかも2度だ。2―0の6回1死一、二塁。松井は4番・楊家維(ヤン・チャウェイ)に左翼ポール際に運ばれた。「ヤバイ!」。打球の行方を見ながら、思わず口が開く。逆転3ランか…。いや、打球はわずかにファウルゾーンに切れていった。

 「内角直球を投げようと思ったが、甘く入った。でも、球審がファウルと判定したので大丈夫だと思った」

 松井が安どした、その時だった。台湾の首脳陣がベンチから飛び出し、猛抗議した。さらに敵地のスタンドから台湾語で「本塁打!本塁打!」という大歓声。審判が協議を始め、松井も慌てた。「切れたのは確認したけど、応援で(判定が)ひっくり返されそうで、ウソだろーと思った」。約5分間の中断の後、判定は覆ることはなかった。思わぬ形でアウェーの洗礼を浴びたが、楊家維を三ゴロに仕留め、続く5番打者も見逃し三振だ。

 8回に1点を許し、なお2死満塁のピンチを招いたが、正捕手の森友哉に「直球勝負でいくぞ」と言われた。全7球直球を投げて空振り三振に仕留めた。

 159球を投げ抜いた左腕は最後に言った。「初戦を取れたことは大きい。目標は優勝」。今年1月、目標に「世界一の左腕」を掲げている。

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