ヤンキースが指名の18歳加藤 米紙「猫のような素早いグラブさばき」

[ 2013年6月8日 06:00 ]

ヤンキース2巡目で指名された加藤豪将内野手

 大リーグのドラフト会議が6日(日本時間7日)始まり、ヤンキースが日本人高校生をドラフト2巡目(全体66番目)で指名した。米カリフォルニア州の名門ランチョ・バーナード高の加藤豪将(ごうすけ)内野手(18)で、日本人選手がドラフト上位で指名されるのは史上初めて。守備力と俊足が高く評価された。憧れのイチロー外野手(39)が所属する名門球団からの指名。加藤はスポニチの取材に応じ、喜びを語った。

 3日間の日程で行われる大リーグのドラフト会議。加藤は、サンディエゴの自宅で中継をテレビで見ていた。ソファに腰を掛け、くつろいでいると、突然自分の名前がアナウンスされた。しかも、指名したのはワールドシリーズ制覇27度を誇る名門ヤンキースだった。

 「翌日の指名に期待しようと諦めかけていたら名前が呼ばれて…。その直後にヤンキースから電話ももらいました。本当にうれしいです」

 1メートル88の大型二塁手。アスレチックスのビリー・ビーンGMや08年ワールドシリーズでMVPに輝いたフィリーズの左腕ハメルズらを輩出し、「ザ・ファクトリー(大リーグの養成工場)」と呼ばれる名門ランチョ・バーナード高に通う最上級生だ。今季はリーグ戦で35試合に出場し打率・429、10本塁打、32打点の成績を残した。

 生まれは東京だが、両親の仕事の関係で00年7月に米国に移った。野球を始めたのは6歳のとき。7歳だった02年7月4日に家族でシアトルへ出掛け、マリナーズ戦を観戦した。その時に目の前で躍動していたのがイチローだった。「イチロー選手は他の選手を圧倒していた。凄く感動しました」。右打ちだったが、イチローをまねてすぐさま左打ちを取り入れて両打ちに。現在は左打ち一本で勝負している。

 今年の二塁手では最上位指名。ヤ軍が最も評価したのが守備力だ。USAトゥデー紙によるスカウトの評価は「猫のような素早いグラブさばき。年間30盗塁以上が期待できる俊足で、守備範囲も広い」。大リーグ屈指の二塁手であるカノの後継者としても期待され、将来的にはゴールドグラブ賞も狙える逸材という。

 ▼ヤンキース、デーモン・オッペンハイマー副社長 2巡目で獲得できてうれしい。われわれの見立てでは走力が高く、打撃にはパワーがあり、守備もいい。

 ◆加藤 豪将(かとう・ごうすけ)1994年(平6)10月8日、東京都出身の18歳。00年に渡米後、英語を学ぶ一環で、6歳のときにTボール(ティーにボールを置いて打つルール)で野球を始める。ランチョ・バーナード高では1年生からレギュラーに抜てきされ、4年生の今年はローリングス社が選ぶ全米のセカンドチームに選出。1メートル88、82キロ。右投げ左打ち。

 ▽大リーグのドラフト会議 1965年に導入され、毎年6月上旬に開 催。指名対象となるのは、米国、プエルトリコ、カナダの高校、短大、大学および独立リーグに在籍する選手で、高校、短大生は最終学年、大学生は3年生の選手も対象となる。毎年、各球団約50人、全体で1500人程度が指名されるため、会議は3日間かけて行われる。今年は指名した選手との契約期限が7月12日(日本時間同13日)となっている。

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