大谷 「5番・投手」白紙に 疲労と最下位チーム状態を考慮

[ 2013年6月8日 06:00 ]

フィジカルトレーニングを終え汗を拭う日本ハム・大谷

 本格「二刀流」デビューが白紙に戻った。日本ハム・栗山英樹監督(52)は7日、大谷翔平投手(18)の次回1軍登板を再考することを示唆。18日の広島戦(マツダ)に「5番・投手」で起用するプランは白紙に戻されることになった。体の状態やローテーション、チーム状況などを考慮した上での判断。今後は1軍に野手として出場しながら体の状態を見て、最終的な次回登板日を決める。

 千葉・鎌ケ谷スタジアムで行われた全体練習。久しぶりに投手、野手のフルメニューをこなした大谷を見ると、栗山監督は慎重な口ぶりで話した。18日に追加日程として組み込まれた広島戦についてだ。

 「(登板する)可能性はあるけど、まだ分からない。打つ方も、ちょっと疲れてる。無理に投げさせる必要はない」

 この日発表された追加日程は、雨天中止となった5月28日の広島戦。指揮官は同日には、大谷を「5番・投手」で起用するプランを掲げた。プラスアルファの試合のためローテーションを崩さないで起用でき、セ・リーグの本拠地だからDH制もない。本格的な二刀流デビューには絶好のタイミング。1日の中日戦(札幌ドーム)でプロ初勝利を挙げた後は登板を1回空けて備えてきたが、ここに来て状況が変化した。

 理由の一つが疲労。阿井ヘッドコーチは「いろんな面で忠実にやっているが、疲れが見えている」とした。投手の調整を進めながら野手として出場。18歳の若武者といえども、体力の消耗は避けられない。さらに18日の広島戦は登板間隔が空いている谷元、2軍調整中の中村勝が登板可能。また、現在、借金10でリーグ最下位という苦しいチーム状況もある。18日に限っては大谷に投手併用で負担をかけず、野手一本で起用した方が戦力的にプラスとの判断もある。

 今後は、8日からヤクルト2連戦に野手で出場。11日のイースタン・リーグ、巨人戦(鎌ケ谷)に先発で調整登板する。栗山監督は「下(2軍)で投げた後の間隔も(18日まで)短すぎるし、状態を見てから」と慎重で、「5番・投手」起用のプランは見直されることになった。

 この日、大谷はブルペンで82球を投げ、フリー打撃も行った。二刀流のフルメニューをこなして一番最後に球場を出たルーキーは、疲労には「休みもあるし、体力的にはしんどくない。体に張りがあった方が軽すぎなくていい」と話し、6・18に向けては「使っていただけるなら頑張りたい。打てなかったことをマウンドで引きずらないように、気持ちの切り替えだけしっかりやりたい」と続けた。ただ、この意欲が実るか、は微妙な状況となった。

 ▼日本ハム・黒木投手コーチ 大谷は(11日の2軍戦登板で)がっつりいきます。投手として成長し、1軍で勝たないといけませんから。そのためにイニング、球数をしっかり投げないと。

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2013年6月8日のニュース