イチロー 侍ジャパンへお手本3安打1盗塁 叩き付け足を使い引っ張らず

[ 2013年2月28日 06:00 ]

<フィリーズ・ヤンキース>初回、オープン戦初盗塁となる二盗を決めるヤンキースのイチロー

オープン戦 ヤンキース3―4フィリーズ

(2月26日 クリアウォーター)
 侍ジャパンよ、これがスモールベースボールだ。ヤンキースのイチロー外野手(39)が26日(日本時間27日)、フィリーズとのオープン戦で3打数3安打1盗塁と活躍。ヤ軍が今季重視する「つなぎの野球」を実践した。3月2日に開幕する第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を直前に控え、得点力不足に悩む侍打線に、かつてのリーダーが自らのバットで手本を示した。

 侍ジャパンの1次ラウンドの地、ヤフオクドームから約1万2600キロ離れたフロリダ州クリアウオーター。オープン戦2試合目の出場を果たした「2番・右翼」のイチローが、日の丸戦士の目指すべき道をしるした。

 (1)叩き付けるべし 初回1死走者なし。初対戦となった昨季11勝の右腕ケンドリックの外角スライダーだった。バットを上から振り下ろし、高いバウンドのゴロで遊撃内野安打とした。転がせば、何かが起きる。さらに出塁しただけでは終わらない。

 (2)足を使うべし 「走るか、行くかですからね。盗塁は」。2死後、4番テシェイラの打席で、ケンドリックのモーションを読み切って二盗成功。適時二塁打で先制のホームを踏んだ。「(モーションのタイミングを)計りながら見るなんてできない」とイチロー。何より必要なのは、スタートを切る勇気だと力を込めた。

 長打に頼らない攻撃を目指す姿勢は、ヤ軍も侍ジャパンも共通している。両リーグ最多のチーム本塁打245発を記録した昨季オーダーから、2桁本塁打を放った5人が抜け、ロドリゲスら故障者も多く、スモールベースボールが必要となっている。首脳陣への大きなアピールかと問われ、「少なくともきょうの段階でそれはない」と否定したが、イチローらしさは続いた。

 (3)引っ張るべからず 3回2死無走者での第2打席。長打も狙える場面だが、初球の外角直球を逆らわずに左前へ運んだ。6回の第3打席も外角球を中前打。6回の守備から交代してベンチに退いたが第1、第3打席は3球目と、全て3球以内の好球必打だった。

 24日のブルージェイズ戦では「目を使おうとするから一瞬(バットの)反応が遅れる。気持ち悪い」と話した。この日も「きょうも気持ち悪いですよ。全然気持ちよくない」と苦笑い。本調子でなくてもできることはある。思考はシンプルだ。

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