今村 ケンカシュート 本家・東尾コーチも絶賛「武器になる」

[ 2013年2月17日 06:00 ]

森福(右)と並びブルペンで投げ込む今村

侍ジャパン宮崎合宿

(2月16日)
 直球だけで30球を投げ終えた直後だ。今村(広島)は突然のリクエストを受けた。「シュートを見せてくれよ」。声の主は打席の位置から見つめていた東尾投手総合コーチだ。4球前にブルペン捕手から捕手役を引き継いでいた阿部(巨人)も呼応。「おい。そんな球を投げるのか?」。これほど請われて投げないわけがない。

 ひと呼吸を挟んだ一球は、直球と比較しても見劣りしない球威で内側へ切れ込んだ。出し惜しみはしない。「いい曲がりだ!」。マスク越しに響く阿部の絶賛の声にも乗って、何と14球連続で投げ込んだ。たまらずストップをかけたのは東尾コーチの方だ。「もう十分だよ。あのシュートは(WBCで)武器になる」。現役当時、シュートを最大の武器に打者の内角を突く強気の投球でプロ野球最多の165与死球。「ケンカ投法」との異名を取りながら通算251勝を挙げた同コーチを大満足させた。

 最後は直球で締め計45球。シュート以外の変化球は試投しなかった。メジャーでは球種としての「シュート」は存在せず、ムービングファストボールの一種と認識されているほど。リーチの長い外国人打者の懐を突く意味でも、シュートは重宝する球種となる。

 「緊張しました。シュートは投げろと言われたので…。真っすぐは全然よくなかった。思い通りではなかったです。あすは結果を残したい。それだけです」。17日は広島側の2番手で登板予定。既に広島では野村監督が昨季は主にミコライオが務めた抑えに今季は今村を抜てきする方針を打ち出しているが、侍ジャパンでも浅尾の状態次第では守護神を任される可能性が浮上してきた。侍ジャパン最年少21歳の存在感が日ごとに高まっている。

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2013年2月17日のニュース