菅野 内角えぐった!初紅白戦も攻めた、堂々の2回0封

[ 2013年2月17日 06:00 ]

紅白戦の初回1死、松本哲に対してカットボールを投げ込む菅野

巨人紅白戦 紅組3―4白組

(2月16日 沖縄セルラー)
 巨人のドラフト1位・菅野智之投手(23=東海大)が16日、プロ初の実戦となる紅白戦に先発し、2回を1安打無失点の上々のデビューを飾った。最速は145キロを計測。右打者にはワンシーム、左打者にはカットボールで臆することなく内角攻めを貫き、「闘争心」が際立つマウンドとなった。次回登板は24日のオープン戦、楽天戦(沖縄セルラー)となる。

 小刻みに、しかし、はっきりと3度、4度と首を振った。2回無死一塁、フルカウントからの6球目だった。逆方向への打撃、つまり流し打ちを得意とする矢野に対して、菅野が選択した勝負球は内角へのワンシーム。142キロを膝元に沈め、投ゴロに仕留めた。

 「ワンシームとカットボールは思ったところに投げられた。緊張したけど、マウンドは楽しめた。この気持ちを忘れないようにしたい」

 浪人生活を送っていた昨年11月に東海大の紅白戦で登板して以来の実戦マウンド。自己採点は「50点」と辛口ながら、プロの打者に対し、持ち味の詰まった投球だった。

 フォークボールを封印し、横に動く変化球で打者を揺さぶった。特に目を引いたのは、右打者へのワンシームと左打者へのカットボール。新人ながら、遠慮することなく内角をえぐり続けた。矢野は「少し落ちてくる。いい球ですね」と話し、一ゴロに倒れた左打者の松本哲は「カットはグッと曲がって、思い切り詰まった」と脱帽した。

 走者を背負ってからのマウンドさばきにも、新人離れした技術があった。数パターンの首の動きで走者をけん制し、セットポジションで球を持つ長さも1球ごとに変えた。「同じ間だと走られたりするので。投げるだけが投手ではない。工夫しながら続けていきたい」。「2回で20球以内」だった球数目標は、倍の40球。加藤には12球粘られた末に四球を与え「真っすぐでファウルとか空振りが取れれば。(投球の)前提のストレートが駄目だと粘られてしまう」と自己分析した。

 ネット裏から視察した原監督は「落ち着いていた。そこそこ戦えるものは周りも本人も自覚できたんじゃないか」と評した。次戦は24日の楽天戦。「次は対外試合。きょう以上の内容はもちろん、結果が求められる。練習から見つめ直していきたい」と菅野。早くも1週間後のマウンドに目を向けた。

 ▼高橋由 僕の打席の時はちょっと力んで抜けた球も多かったですけど、球の勢いはありましたね。

 ▼ロペス チームメートにどんな球を投げるかは聞いていた。動いていたし、いい真っすぐだった。

 ▼加藤 ワンシームは横に食い込んでくる。打ちに行ったらバットが折られそうな軌道だった。

 ▼寺内 制球もいいですし、いい球だったと思います。(バットを折られたのは)シュート気味の球。

 ▼藤村 たぶん真っすぐ。僕の時は(足 元が)滑って、初球のボールが垂れてしまったと本人が言っていた。

 ▼古城 内外角とボールがかなり動いていた。あまり見たことがない球。速いシュートみたいな…。昔の(広島時代の)黒田さんのよう。

 ▼河野 ワンシームをけっこう投げていた。リードは「任せる」と言われていた。首を振ってワンシーム?それは状況(次第)ですから。

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2013年2月17日のニュース