原巨人 下位打線で勝った!長嶋流ゲキ&攻めの采配で決戦制す

[ 2012年10月23日 06:00 ]

<巨・中>3連勝し日本シリーズ進出を決めた巨人ナインは原監督を10度胴上げ

セ・リーグCSファイナルS第6戦 巨人4―2中日

(10月22日 東京D)
 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ最終第6戦は22日、巨人が中日を4―2で下し、リーグ優勝による1勝のアドバンテ ージを加えて3年ぶり33度目の日本シリーズ進出を決めた。2回に寺内崇幸内野手(29)の2点適時打で先制し、4投手の継投で逃げ切った。3連敗という後のない状況から3連勝での劇的なCS突破。10度宙に舞った原辰徳監督(54)が、3年ぶりの日本一奪回を目指す。

 崖っ縁から押し返しての日本シリーズ進出に、マウンド上で歓喜を分かち合うナイン。1度は胴上げを固辞した指揮官だったが、苦しんで苦しんで手にした勝利に選手たちが許すわけがない。リーグ優勝決定時の8度を超え、原監督は10度も宙に舞った。

 「選手がどうしてもと言うので、大変ありがたく頂きました。いきなり3連敗で完全に土俵際までいって、徳俵に乗ったところから七転び八起きの精神で進化した選手たちが頑張ってくれた。非常に価値ある勝利だと思う」

 自慢の強力打線が機能せず苦しんだ今シリーズだった。計6試合で、3番坂本は5安打、4番阿部は単打のみの6安打。打点はともに2しかなかった。爆発力を欠き、重苦しい展開の試合が多くなったが、最終戦は下位打線が突破口を開いた。2回に高橋由、村田の連打で無死一、二塁。定  石 でいけば犠 打の場面で、7番古城に強攻のサイン。そして古城が中日・伊藤の初球シュートを左前に運び、続く寺内の先制打につなげた。チームに攻める姿勢を植え付ける最高のタクトだった。

 第4、5戦の接戦をものにして、運命の最終戦を迎えた。脳裏をよぎったのは94年、中日とのあの「10・8」決戦だった。「5番・三塁」で先発出場した原監督も「最も印象に残っている(試合だ)けど、正直、二度と経験したくないというゲームだった」。当時の長嶋茂雄監督が試合前、宿舎の食堂で「俺たちは勝つ!いいか、もう一回言うぞ。俺たちは勝つ!勝つ!」とナインを鼓舞した。あれから18年…。再び訪れた雌雄を決する最終決戦。原監督は、試合前の選手サロンで両腕を組みながら声を上げた。「徳俵に乗っかった状態からね、きょうを迎えることができたんだよな。もう、まさにきょうは決戦だぁ!チームが一つになって全力でベストを尽くして頑張ろう、OK?おーし、やろう!!」。その最前列には先制適時打を放った寺内がいた。

 そして、再び高木竜との決戦を制した。レギュラーシーズンで中日に10・5ゲーム差をつけた意地もあった。「こういう試合は、プロ野球の中でもそうそうあるものではない。きょう負けたら終わりという中で戦ったのは、大きな成長の糧になる」。巨人軍の歴史に「10・8」に、「10・22」という新たな伝説が加わった。ただ、まだ日本シリーズという最後のひとヤマがある。相手はCSを悠々と勝ち抜いた日本ハム。指揮官は「もうひとつ整備して、しっかり戦いたい」と力を込めた。

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2012年10月23日のニュース