オリックス・寺原 FAで古巣ソフトバンク復帰決定的

[ 2012年10月23日 06:00 ]

来季は再びソフトバンクのユニホームを着ることが決定的となったオリックス・寺原

 故障者特例措置により、国内フリーエージェント(FA)権を取得見込みのオリックス・寺原隼人投手(29)がFA宣言し、古巣のソフトバンクに移籍することが22日、決定的となった。

 寺原は同日、神戸市内で行われた秋季練習に参加し「気持ちは固まりつつあります」と心境を語った。明言こそ避けたものの、寺原の親しい関係者によると、既に移籍を視野にFA権を行使する意思を固めた。25日のドラフト会議後に球団側に意向を伝え、日本シリーズ終了後にFA宣言する。移籍先は古巣のソフトバンクが濃厚だ。

 寺原は今季、腰痛や右肘炎症など故障続きで16試合の登板にとどまり、6勝8敗、防御率3・92だった。だが、横浜(現DeNA)からトレードで移籍した昨季はチーム最多の12勝をマーク。通算55勝右腕に対し、球団は16日に初交渉を行い、2年総額2億円を提示。森脇新監督からも直接会談で残留を要請され、寺原は「絶対に残ってほしいと言っていただいた。評価していただいた」と語っていた。

 球団の誠意には感謝しているものの、それ以上に古巣のソフトバンクへの愛着が上回ったようだ。ソフトバンクも寺原獲得に向け、既に調査を開始している。今季は和田(オリオールズ)、杉内、ホールトン(いずれも巨人)の三本柱が抜けて苦しい戦いを強いられた。3位でCSに進出したが、ファイナルSでは日本ハムに3連敗。2年連続日本一の夢は途絶えた。来季の巻き返しに向け、先発が最大の補強ポイントである。寺原がFA公示されるのは、24日。FA宣言すれば争奪戦に発展する可能性もあるが、相思相愛のソフトバンクで揺るぎそうにない。

 ◆故障者特例措置制度 07年から導入され、前年の1軍登録日数が145日以上の選手が対象。2月1日から11月30日までの期間にグラウンド上で発生したケガで出場選手登録を外れた場合、抹消日から2軍の公式試合に出場するまでの日数を1軍登録日数として最大60日まで加算する制度。60日以内なら1シーズンで複数回の抹消でも適用される。ただし、同制度で1軍登録日数が145日を超えたシーズンの翌年は適用されない。

 ◆寺原 隼人(てらはら・はやと)1983年(昭58)10月9日、宮崎県生まれの29歳。日南学園では、3年夏の甲子園で大会史上最速の158キロを計測して8強。同年ドラフトで4球団競合の末、ダイエー(現ソフトバンク)に1位入団。07年に横浜(現DeNA)、11年にオリックスに交換トレードで移籍。今季は故障に苦しみ6勝に終わった。1メートル79、87キロ。右投げ右打ち。

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2012年10月23日のニュース