松井、ヤンキース“落選”マイナー契約も現実味

[ 2012年2月18日 06:00 ]

ヤンキース復帰は絶望的となった松井

 アスレチックスからFAとなった松井秀喜外野手(37)のヤンキース復帰が、16日(日本時間17日)絶望的となった。ヤ軍は、DHとしてフィリーズからFAのラウル・イバネス外野手(39)獲得に方針を一本化。松井は事実上、落選した。メジャー各球団の野手キャンプ開始が刻々と迫る中、具体的な話はいまだなし。プロ20年目を迎えたゴジラが、窮地に立たされている。

 ゴジラに春はまだ来ない。今月3日にヤ軍のジョー・ジラルディ監督が、DHとして左打者の獲得を熱望してから2週間。松井自身「特別なチーム」と位置づけ古巣復帰を心待ちにしていたが、最終候補に挙がった松井、イバネス、デーモン(レイズからFA)のうち選ばれたのは今年40歳になるイバネスだった。

 ヤ軍との再契約は、松井サイドにとって重大局面だった。ヤ軍の補強資金は残り200万ドル(約1億5800万円)程度といわれ、交渉次第では昨季年俸が3人の中で最も低い425万ドル(約3億3600万円)の松井にチャンスはあった。しかしヤ軍関係者はこの日、本紙に「イバネスと合意間近まで来ている」と説明。別の米球界関係者も「イバネスと、左打ちで控え内野手のチャベスに絞った」と方針が一本化した事実を認めた。

 ヤ軍はDH補強予算を上積みするため、打者との交渉を一時凍結し、今季年俸1650万ドル(約13億円)の先発右腕バーネット放出を画策。そのトレード交渉は現在パイレーツを相手に最終段階に突入し、資金調達のめどが立ったことで、打者との交渉を再開。イバネスは昨季年俸1217万ドル(約9億6000万円)だが、大幅減俸をのむ覚悟を示しており障害はないとみられる。

 振り出しに戻された松井には厳しい現実が待ち受ける。ヤ軍のDH補強が完了すれば、ア・リーグ各球団のDH枠は全て埋まる。今後は第4の外野手か代打要員として契約を勝ち取れるかが焦点となりそうだ。左打ち外野手を調査中のドジャースや、もう1人DH候補獲得の可能性がわずかにあるオリオールズが候補には挙がるが、キャンプ招待でのマイナー契約も現実味を帯びてきた。

 メジャー各球団の野手キャンプインは、今月25日(日本時間26日)前後。移籍先に関して「キャンプまでに決まれば」と話していた松井。DeNAなど国内球団からラブコールが届く中で、あくまでメジャーにこだわるかどうか。大きな決断が迫られてきた。

 ◆松井の交渉の経過
 ☆11年11月2日 アスレチックスとの独占交渉期間内に交渉がなく、残留の可能性が低くなる。
 ☆16日 オリオールズの編成本部長が「8人いる候補の1人」と獲得候補に。
 ☆12月5日 ウインターミーティングでレイズのマドン監督が「プレースタイルが好き」とラブコール。
 ☆8日 ドジャースのマッティングリー監督が獲得調査を球団幹部に進言していることが判明。
 ☆12年1月11日 スコットと合意したレイズ入りの可能性が消滅。
 ☆16日 来日中のアスレチックス・メルビン監督が「構想に入ることは考えにくい」と発言。
 ☆17日 DHのマルティネスが今季絶望となったタイガースが、代役探しを始める。
 ☆24日 タイガースがフィルダーを獲得し、松井獲りの可能性が消滅。
 ☆2月3日 ヤンキースのジラルディ監督が、DH候補3人のうちの1人に名前を挙げる。

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2012年2月18日のニュース