糸数　嫁が来るから駄目のジンクスはね返しプロ初完封

＜ロ・日＞プロ初完封の糸数はウイニングボールを手に笑顔

パ・リーグ 日本ハム９―０ロッテ

（8月17日 ＱＶＣマリン）
　シャワーを浴びて着替えた日本ハム・糸数が、駐車場に向かおうとしたところで慌てて引き返してきた。「あっ、やべえー」。４安打無失点。プロ５年目で初完封勝利に舞い上がったわけではないだろうが、ヒーローインタビューで「家族にすぐに見せたい」と声を弾ませたウイニングボールをロッカーに忘れてしまったのだ。

　無事に「お宝」を手に取り戻すと、スタンドで観戦していた明希乃（あきの）夫人（２６）と長女・華衣愛（けいら）ちゃん（２）、次女・莉衣愛（りいら）ちゃん（６カ月）と合流。ボールを手渡すと満面の笑みがはじけた。「いつも家族が来ると大量失点で、嫁からも“来ない方がいい？”と聞かれた。関係ないよと言ったけど、嫁が来るから駄目かも…と思っていた自分もいた。勝てて良かった」。沖縄出身の２６歳はどこまでも素直だ。

　完封勝利は今季チームでダルビッシュに次ぐ２人目。気持ちを強く持てれば、力量は十分ある。第６の先発として糸数がひと皮むけた。

　◆糸数　敬作（いとかず・けいさく）１９８４年（昭５９）１１月７日、沖縄県生まれの２６歳。中部商、亜大を経て０６年大学・社会人ドラフト３巡目で日本ハムに入団。３年目の０９年５月１７日のオリックス戦でプロ初登板。同年６月３０日の楽天戦で、６回２安打１失点でプロ初勝利。同年に４勝、昨季は２勝を挙げた。０８年１月１日に結婚。１メートル８０、８６キロ。右投げ右打ち。