東洋大姫路・原　最後は悔し涙で黄色いハンカチぬらす

＜東洋大姫路・光星学院＞試合終了後、東洋大姫路・原はハンカチで涙をぬぐう

第９３回全国高校野球選手権大会準々決勝 東洋大姫路１―２光星学院

（8月17日 甲子園）
　東洋大姫路の原は、ポケットにいつもしのばせている黄色いハンカチで、汗と涙をぬぐった。「僕が踏ん張れなかったので、負けたと思う」。嗚咽（おえつ）とともに、言葉を絞り出した。

　１４３キロの速球と多彩な変化球を武器に強打の光星学院打線を５安打に抑えた。２失点はいずれも内野ゴロによるもの。だが、打線がバントミスを３度も犯すなど１点止まり。それでも責任を自ら背負った。「三振を取れず当てられた僕が悪い」。９回２死では遊飛に倒れ、天を仰いだ。

　「理性が樹木のようにしっかり育つように」と命名された「樹理」。プロから高い評価を受けるが、卒業後の進路に関しては「最後の夏のことしか考えていなかったので、考えていません」と明言を避けた。試合後、球審から使用球を贈られた原。「みんなで力を合わせれば勝ち進めると分かった」。この夏の成長は必ず将来につながる。

　▼東洋大姫路・藤田監督　初回のバントミスが最後まで尾を引いた。原は辛抱強く投げていた。彼はまだ体が幼い。あと４～５年かけて体ができればもっといい投手になる。