16の8…吉村 コンパクト打法で「変幻自在」

[ 2011年4月16日 06:00 ]

<ヤ・横>小さく構える現在の吉村の打撃フォーム

セ・リーグ 横浜9―7ヤクルト

(4月15日 神宮)
 長距離砲と統一球。導入された飛ばないボールと本塁打減は、必ずしもイコールではない。横浜の吉村が6回に今季1号。力感のない軽く振り抜いたスイングで左中間席まで運んでみせた。

 「統一球で打球が飛ばなくなったのは確かですが、いいスイングをすれば飛ばなくはないんです」。08年に34本塁打を放った和製大砲。バットを高く構え、フルスイングする打撃スタイルだった。だがここ2年は打撃不振に陥り、フォーム改造に踏み切った。テーマは「変幻自在」という。

 「どんな投手、どんな球にも対応したい。統一球?それもあります」。統一球対策で距離を求めない打撃への変貌が、逆にスイングを理想に近づけた。バットを担ぐように小さく構え、コンパクトに振り抜く。軽く握ってインパクトの瞬間だけ力を入れる。8回には2死から2球で追い込まれても、8球粘って左前打。松岡の決め球フォークを打ち返し、金城の逆転3ランを呼び込んだ。

 どんな変化球にも柔軟に対応できる力を身につけ、ツボにはまれば一発も打てる。ここまで16打数8安打、打率5割。横浜の強さを変幻自在な吉村の打撃が支えている。

 ▼横浜・杉村巡回打撃コーチ 長距離砲の特徴としてバットを強く握る傾向があるが、吉村はそれをやめた。しかも極端に軽く握っている。打つ瞬間だけに力を入れているから、反発力が上がって統一球でも飛ばせる。

続きを表示

2011年4月16日のニュース