パワー生かして内角球克服 GG佐藤 こだわりの“詰まり打法”

[ 2011年2月23日 12:10 ]

練習試合後、室内練習場でゴムで両腕を縛りティバッティングを行うG・G・佐藤

 西武のG・G・佐藤外野手(32)は、内角球をきれいにさばくのではなく、詰まらせた上で力でヒットゾーンへと持っていく。ティー打撃では顔の近くの高さに球をセット。わざと窮屈な体勢でスイングして力で押し込む練習を繰り返す。22日の練習試合、斗山戦(南郷)でも内角球に詰まりながら適時打をマークするなど、その成果は出ている。レギュラー奪回へ向けて、テーマはずばり「詰まり打ち」だ。

 打者は内角球に詰まらされることを嫌がる。そんな概念を逆手に取っているのがG・G・佐藤だ。ティー打撃。球は顔の近くの高さにしてセットする。両脇が開かないように、ゴムチューブを体に巻き付けながら窮屈な姿勢で、それでいて豪快にスイングを繰り返す。バットの芯を外して、手元に近い部分で詰まった当たりとなるが「詰まっても力で押し込んでいけるイメージです」と狙いを説明する。

 07年から3年連続20本塁打以上をマークするなど長距離砲のG・G・佐藤は、打席で内角を攻められるケースが目立つ。内角球を克服しなければこれ以上の成長はない。法大卒業後、フィリーズのマイナーリーグでプレーしていた当時のチームメートで、大リーグNo・1二塁手に成長したアットリーも同様の練習法を取り入れていた。阪神・マートンも行っていることを知り「左右の最高の打者がやっているんだから間違いないと思って」と、今キャンプから「詰まり打ち」を導入した。

 「誰にでも当てはまる練習ではない。G・Gは力があるし、ポイントを体に近づけていいし、体のターンがうまいからできる」と土井ヘッド兼打撃コーチ。内角球に詰まっても、安打ゾーンに持っていけるパワーがあるからこその独特の練習法でもある。この日の練習試合では真ん中スライダーをバットの芯で捉えて左越えソロを放ったが本人は、内角球に詰まりながら運んだその後の左前適時打を「イメージに近い」と喜んだ。

 昨季は両肘、左肩の故障もあって不本意なシーズンを送った。今キャンプは実戦3試合で9打数6安打2本塁打。「人の倍打たないと試合には出られない」と危機感を持ってプレーする。「詰まり打ち」こそがG・G・佐藤の新境地を切り開く。

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2011年2月23日のニュース