全開キャンプイン!松井 新“三種の神器”で走攻守

[ 2011年2月23日 06:00 ]

フリー打撃で快音を響かせる松井

 「三種の神器」を手にした緑ゴジラが始動した。アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が21日(日本時間22日)、新天地でメジャー9年目のキャンプイン。両膝の状態は良好で、ヤンキース時代の07年以来、4年ぶりに初日からフルメニューを消化した。今季はバットだけでなく、スパイクとグラブも改良。走攻守全てで貢献したいとの決意の表れで、完全復活へ確かな一歩を踏み出した。

 快晴の空の下、緑のユニホームを着た松井が、初日から打って守って、そして走った。その表情は膝の痛みに悩まされてきた過去3年間とは全く違う。チーム最年長の36歳は若手選手と同じメニュー全てを消化した。

 「ハード(な内容)ではなかったが、チームメートと一緒にできてよかった。膝の状態は昨年よりいい。ほぼ気にせずに動けている」

 練習開始からスパイクを履き、同僚のフリー打撃中には自主的に守備に就いた。昨年は本格的な走塁練習は3月に入ってからだったが、加速力と俊敏性を計る20ヤード走(約18メートル)ダッシュにも参加。「70~80%」ながら力強い走りで、アレホ・ストレングス&トレーニングコーチも「膝は問題ない」と太鼓判を押した。

 軽快な動きを見せた松井を支えるのが、初めて使用した11年版の用具3種だ。まずは白のスパイク。昨季までは膝への衝撃を減らす目的で靴底の部分にクッション材を詰めたが、今年は「フラットに立てるように」(ミズノ社担当者)と約8ミリ薄くした。バランス良く立つことで、スムーズな重心移動が可能となる。また、05年に右足首を捻挫したことで、06年からはミドルカットを使用していたが、足首の見えるローカットに戻し、重さは350グラムと70グラムの軽量化に成功した。

 グラブは緑(Green)とゴジラ(Godilla)の頭文字を取った、緑がかかった黒色「Gブラック」に変更し、長さを1センチ縮めた。通常、外野手は内野手より長めのグラブを使用するが、松井は昨季エンゼルスでの18試合の守備経験を踏まえ操作性を重視。同担当者が「5ミリの変更でも感覚は大きく違う」と言うほど、こだわった。

 フリー打撃では、グリップエンドから5センチの位置を1・5ミリ細くし、ワールドシリーズMVPを獲得した09年とほぼ変わらない形に戻したバットで計63スイング。柵越えはなかったが、鋭いライナーを打つなど安打性の当たりは23本と快音を響かせた。新しい用具の感触について「全く問題ない。しっくりきています」と手応えを語った。

 24日(日本時間25日)からは紅白戦が始まる。「まだまだ振っている数も少ない。日々の練習の中で少しずつ調子を上げたい」と松井。別メニューの呪縛から解放され、開幕へ向けて1つずつ段階を上っていく。

 ≪チームカラーに合わせグラブ色変更≫松井は巨人時代はチームカラーのオレンジに近い、薄い茶色のグラブを愛用。チームカラーが濃紺のヤンキース移籍を機に、硬く仕上げやすいといわれる黒色に替えた。05年からは茶色に変更。左手首骨折からの復活を期す07年に、青みがかった黒に戻した。エンゼルスに移籍した10年は赤茶色と、チームカラーに合わせてグラブの色も移り変わってきた。

 ▼アスレチックス・ゲレン監督 松井は初日ながらよく動けていた。オフの積極的な補強でチームは層の厚さが増した。手応えもある。

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