金本DH出場OK…真弓監督も認めた“開幕まで守備封印”

[ 2011年2月13日 09:49 ]

今キャンプ初の屋外フリー打撃で快音を響かせる金本

 右肩故障の影響で別調整を続ける阪神・金本知憲外野手(42)が左翼守備の実戦調整を経ずに今季開幕に挑む可能性が高まった。宜野座キャンプ第3クール3日目の12日に屋外フリー打撃を解禁するなど打撃では順調な一方、慎重に調整を進める送球動作は現状を「4割」と説明。オープン戦でもDH出場を想定していることを明かした。真弓明信監督(57)も開幕戦までの実戦守備封印を容認した。

 今季開幕へ向けた実戦調整の見通しについて金本は「最低5試合は…」と明かした。ただ、「DHでも…」の条件を付け加えた。右肩の状態次第ではオープン戦で左翼守備に就くことを見送る考えを示唆していた。

 真弓監督も呼応した。「守備ができるなら守備の方も、守備がまだなら打つ方だけでも…。その時の出来上がり次第で考えたい」。開幕戦を実戦守備解禁日とする選択肢も「それでもいい。(試合に)出られるなら」と肯定した。昨秋に掲げた「オープン戦終盤でどれだけ守れるか」という判断基準は撤回された。

 キャンプ12日目、当初に描いた計画通り第3クール中に打撃では本隊に合流した。今春初の屋外打撃。強烈な逆風の中、7スイング目で右翼席に2011年の“1号”が弾み、14、16スイング目で放たれた白球も同様に右翼フェンスを超えた。計33スイングに不安は見えなかった。

 「外で打つと力が入り過ぎてフォローを自然と大きくとってしまう。でも、違和感はなかった。怖さはあっても痛みはない」。統一球の感触も確かめた。「重たい。確実に芯でとらえて、体の力全部をバットに伝えないと甲子園でライトスタンドは厳しいかも」。打撃フォーム固めを今後の課題としながら、「振る力は80%」と確かな手応えを強調した。

 順調な打撃面との比較で右肩故障の影響を直接的に受ける守備、送球面を「40%」と表現した。「焦りとか無理することが一番いけない。肩に関してはサボり気味でちょうどいい」。野球人生を左右する重症からの再起を目指した復活の道。たとえ速度は遅くても、後退だけはできない。慎重な歩みは当然だ。

 現状でキャッチボールは最長40メートルまで伸び、右肩の負担軽減を意図した足の運びにも着手した。「キャッチボールである程度の距離を違和感なく投げて打球捕でカットに返していきたい。シートノックは開幕までやる必要はないかなと思う」

 思えば、2年連続左ひざ手術明けの09年春も左翼守備で試運転しないまま開幕戦に立った。「投げられないと試合に出られない。そこさえできれば後は付いてくる。そこ(開幕戦)でスタメンで出られるようにやっていく」。覚悟の調整は続く。

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2011年2月13日のニュース