中田“進化”の2連発!梨田監督「オレは信じる」

[ 2011年2月13日 06:00 ]

<練習試合 広・日>6回1死、中田は2打席連続のホームランを放つ

練習試合 日本ハム10―5広島

(2月12日 沖縄市)
 進化の2打席連発だ!日本ハムの中田翔内野手(21)が12日、広島との練習試合に4番で出場。4回にバックスクリーン越えの125メートル弾を放つと、6回にも左越えソロを叩き込んだ。今季から取り組んでいる両脇を締め、バットを最短距離で振り抜く打法が、2011年最初の対外試合で爆発した。勝負の4年目を迎えた怪物は、黄金ルーキー・斎藤佑樹投手(22=早大)に負けない輝きを放っている。

 無心で振り抜いた。5―2と逆転した4回2死一塁。中田は左腕・青木の初球、真ん中速球を完璧にとらえた。打球はライナーでバックスクリーン上へ。さらに6回1死では、3番手・今井の1ボールからの内角速球に今度は腰を鋭く回転させ、左翼芝生席へ運んだ。

 「2本目の方がしっかり脇を締めて打てた。内寄りの球を腕を畳んで振り切れたと思います」

 進化の一撃だ。昨季はT―岡田(オリックス)ばりのノーステップ打法から7月20日ロッテ戦(札幌ドーム)でプロ初本塁打を放って以降、10試合7発と固め打ちした。しかし、他球団が内角攻めに徹すると体力不足も手伝い打率は急降下。その経験を糧に選択したのが「新打法」だった。

 左脇、左肘をロックした状態で腰を回転させていく。必然的にバットはインサイドアウトの軌道で回り、ヘッドスピードも上がっていく。そしてインパクトの後は、左肘を抜くことで体が窮屈にならずにバットが回転する。内角球に詰まらずにスタンドまで運んだ2本目の一発は、まさに進化の証。福良ヘッド兼打撃コーチは「(左)肘が抜けないと、上体を振るしかなくなるからブレる。でも今年は体が切れているから肘が抜けている」と解説した。

 この打法をマスターするには強じんな体幹が必要となるが、昨オフからのウエートトレで股関節を鍛え上げた。10日のフリー打撃では斎藤から7本の柵越えを放ち、初の対外試合でも成長を見せつけた。梨田監督も「無駄な動きがなくなってコンパクトになった。以前はカブレラ(ソフトバンク)かぶれだったかな。でも今年は全く違う。オレは打つと信じるよ」と目を細めた。

 それでも満足はしない。3回1死二、三塁で浅い中飛に倒れた場面だ。「ゴロを打てば点が入るのに。レベルの低い打撃をしてチームの勝利を考えられなかった。反省点です」。レギュラーとして計算しているからこそ梨田監督も「あそこは打点を挙げてほしかった」と注文をつけた。

 「この調子がずっと続いていくとは思っていない。崩れた時に、自分はどうすべきか。波の激しい選手にはなりたくない」。イースタン・リーグの本塁打王ではなく、4年目の今季こそスタメン定着を目指している中田の決意が込められていた。

 ▼広島・野村監督 甘い球をしっかりととらえる力がある。ウチの投手陣は力不足を自分で再確認したんじゃない?“そんな直球では僕には通用しませんよ”と応えてくれたのだろう。

 ▼広島・青木 どんどん来る打者にああいう球を投げた方が悪い。でも結果が全てなので…。

 ▼広島・今井 シーズン中ならあそこで直球は投げないが、ファウルを打たせることを試したかった。ホームランバッターになると、キッチリと運ばれる。あの1球は頭と体と心が一致していなかった。

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