転んで1点!?尾花ベイ 頭脳走塁オンパレード

[ 2010年2月23日 06:00 ]

佐伯(手前)は、重盗の練習で一、二塁間でわざとこける

 最下位からの巻き返しを狙って補強、練習法、戦術など改革を推し進める尾花ベイスターズ。横浜の沖縄・宜野湾キャンプでは22日、走者が偽装転倒する間に、1点をもぎ取る珍練習を行った。得点力アップを課題とするチームだけに、今キャンプではあらゆる作戦に挑戦している。23日は、尾花高夫新監督(52)にとって初の対外試合となる日本ハムとの練習試合。成長したチームの姿を見せつける。

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 スタートを切った一塁走者の佐伯が派手につんのめった。守備側が「しめた」と思った瞬間、三塁走者の吉村は猛然と本塁へ突っ込んでいた。三塁走者に背を向ける左腕相手にボークを誘うイチかバチかのプレー。「フォースボーク」と呼ばれる奇策で、あの野村前楽天監督も得意とした。小雨が降る中での地味な走塁練習だが、選手はユニホームを泥だらけにしながら何度も繰り返した。

 尾花監督はミーティングで「細やかな野球をやりたい」とナインに求めた。打席に入る選手には(1)出塁する(2)走者を進める(3)走者を還す――のうち自分が何をすべきか考えさせる。昨季の横浜は128本塁打はリーグ3位も497得点、51盗塁、チーム打率・239はいずれも12球団ワーストだった。「どうやってつなげたらいいのか。得点力アップにつなげるため。選手にはその方法論を知っておいてもらいたい」と尾花監督。あらゆる手を使って得点を奪いにいく姿勢を見せることこそが、改革の第一歩だ。

 二、三塁から一気に二塁走者もホームを突く2ランスクイズや打者が空振りする間に一塁走者が二盗を決める偽装スクイズも練習した。「年に1度あるかないかだけど練習しないと始まらない。準備しないチームは強くなれないからね」とは杉村打撃チーフコーチ。ベテランの佐伯も「18年間でこんな練習は初めて。20安打でも0点じゃ意味がない。小技もあるぞと思わせるだけでも意味がある」と話した。

 「かなりレベルアップしていると思うよ」と尾花監督はチームに手応えを感じている。成長過程のナインは対外試合という次の段階へと突入する。

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2010年2月23日のニュース