マー君 大学講師になる!就活指南役に抜てき

[ 2009年11月25日 06:00 ]

大学講師を務める楽天・田中

 マー君、先生になる――。楽天・田中将大投手(21)が大学講師を務めることが24日、分かった。12月11日に東京・世田谷の駒大記念講堂で、同大の1、2年生を対象に講演を行うもので、主催する大学側はこれから就職活動を迎える学生の指南役として、同世代で着実にキャリアアップしている同投手に大学講師を依頼した。“田中先生”は当日「いきいき生きよう」との演題で、自らの人生論を語る。

 一歩ずつ、着実に階段を上がる21歳だからこそ話せることがある。今回の講演は駒大生の就職を担当するキャリアセンターと学生の共催。1日大学講師として田中に白羽の矢が立てられたのは、同世代からの圧倒的支持の裏返しだった。

 08年の北京五輪、09年の第2回WBCで日本代表にも選出されるなど、プロ3年目を終えて着実にステップアップしている田中。同大関係者は「今回対象となる1、2年生と同世代でキャリアを積んでいる人を招きたかった。18歳でプロの世界に入り、日本代表にも選ばれて世界と戦うなど、講演の趣旨にピタリと合う方です」と起用の理由を説明した。講演の対象は主に大学1、2年生でこれから就職活動を始める世代だ。21歳ながら田中の人生には大きな決断がいくつもあった。

 甲子園出場を目指し、地元の兵庫県伊丹市から北海道の駒大苫小牧へ入学。高校選びの際は自らの目で練習を見て「ここがいい」と決断。15歳で親元を離れた寮生活の寂しさにも耐えた。そして同校で全国制覇を達成。そして最も注目すべきはプロ入りの際の潔さだった。06年夏の甲子園で準優勝した直後から大学進学ではなく、プロ入りの姿勢を打ち出した。「子供のころからの夢でプロになれればいいと思っていた。夢がかなうなら、日本のプロ野球12球団のどこでもよかった」。夢はあくまでプロのマウンド、どのチームでも自分を貫けば、生きていけるという強い信念からだった。田中のその姿は大学生の「就活」にも置き換えられる。

 過去に駒大では、同大野球部出身で巨人OBの中畑清氏(本紙評論家)やヤクルトOBの栗山英樹氏も講演を行ったことがあるが、現役、しかもプロ3年目で21歳の青年講師は異例中の異例。田中は駒大の付属高である駒大苫小牧OBということもあり快諾した。
 当日、講演が開催される記念講堂の収容人数は約1200人。大学1、2年生以外の聴講も可能だという。講演自体は1時間ほどで、そのほかに学生との質疑応答で若者ならではの恋愛問題などプライベート面も含めた人生相談を受け付ける。プロ野球選手という枠を超えた田中の生きざま、教えが、この先に人生の岐路が待つ学生たちを明るい未来に導く。

続きを表示

2009年11月25日のニュース