ヤンキース 松井秀に12月上旬最終オファー

[ 2009年11月25日 06:00 ]

 ヤンキースのキャッシュマンGM(42)は23日(日本時間24日)、ニューヨーク市内で行われたワールドシリーズDVDの試写会に姿を現し、FAとなった松井秀喜外野手(35)へ12月上旬にも残留に向けた最終オファーを出す考えを明かした。

 「今はオーナーと年俸総額の話し合いをしている段階。それがまとまり次第、うちのFA選手と先に話し合う。松井ともやがて話す」とした上で「まずは自分たちのチームのFA選手に集中し、その後にFA市場に全神経を集中したい」と語った。ただ、この発言は、他球団のFA選手の獲得に乗り出す前に、松井に決断を迫る意図がある。FA選手の交渉が本格化する来月7日(同8日)からのウインターミーティング前に松井サイドと決着をつけるとともに、松井サイドが球団提示を拒否すれば、事実上、他のFA選手にシフトするというメッセージだ。

 週明けに行われる総年俸などの予算会議を経て、松井には12月上旬に条件が提示されるもようだ。しかし、その条件も厳しいものとなる。「去年は大規模な投資が可能なことを証明したが、今年は注意深くいくと思う」と同GMは年俸総額を削減する方針。さらに、試写会に参加したジラルディ監督も「補強で一番大切なのは先発投手」とペティットの重要性を強調。松井を「DH専任」とみているヤ軍にとって、同じ外野手のデーモンよりも優先順位は下だ。

 松井サイドは各球団の意見をじっくり聞いた上での長期戦を想定。松井本人がウインターミーティングへ参加することも検討されている。他球団との本格交渉を前にヤ軍と完全決別する可能性は高い。

 ◆ヤ軍GMに聞く
 ――FA市場の他の選手に興味はないのか?
 「他チームの選手の代理人と先に話をして、ウチのFA選手に興味がないと間違って解釈されたくない。まずはうちの選手に十分な敬意を払う」
 ――年俸総額は?
 「話し合っている。決まるまで具体的な計画は立てられないし、FA市場にも入っていけない。大事なのは効率的に資金を配分すること」
 ――決まってからは?
 「スカウトの評価と照らし、個々の選手が金額をどれだけ求めているのか、市場はどう動いているのか、調査していく」
 ――まだ松井と話していないことの意味は?
 「何も意味しない。まだ球団でも何も決まっていない。前回(05年オフ)の彼との再契約交渉はとても難しかった。だからといって、今回がより簡単かは分からない。彼は偉大なジャイアント(巨人の選手)だったが、偉大なヤンキーでもあった。それと、巨人の優勝におめでとうと付け加えたい。同じ年に優勝するなんて」
 ――デーモンと松井の同時引き留めは可能か?
 「何だって可能だが、年俸総額による。われわれのプランと選手の要求額で決まる」

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2009年11月25日のニュース