高橋尚1100万円ダウンでサイン

[ 2008年12月5日 06:00 ]

 巨人の高橋尚成投手(33)が4日、東京・大手町の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、1100万円ダウンの来季年俸1億3500万円(推定)でサインした。今季は開幕投手を務めながら8勝に終わった左腕は、オフに戦国武将・織田信長を取り上げた小説などを読んで“精神修行”を行う考え。心技体を磨いて臨む来季は、自身の背番号と同じ21勝を目指す。

 スッキリとした表情だった。第1回交渉と同じくダウン提示も、清武球団代表から「君のモチベーションが上がる契約がしたい」と声をかけられ、前回から数百万円の上積みに納得。高橋尚は会見で「中途半端に10勝、15勝はよくない。今季は(楽天の)岩隈が背番号と同じ21勝を挙げた。自分もそれを目標にする」と大きな目標を掲げた。
 今季は自身初の開幕投手を務めながら不調で2軍落ちするなど8勝5敗、防御率4・13。途中降板で勝利投手の権利が消えた試合もあったが、昨季14勝の実績はかすんだ。降板後にベンチのイスを蹴り上げた試合もあり「肉体的には例年通り。鍛えるのはメンタル。心のトレーニングをする」とオフの課題を挙げた。
 心を鍛えるトレーニングの1つが戦国武将に関する書籍を読むこと。特に興味を持っているのは織田信長だ。戦乱の世を統一する野望を持ち続け、勝利至上主義を掲げてさまざまな兵法を用いた名将。21勝は勝ちにこだわらなければ達成できない数字でもあり、左腕にとって学ぶことは多い。
 入団1年目の00年には優勝ビールかけで尻を出して批判も受けたが、織田信長も幼少から青年期は奇行を繰り返し“尾張の大うつけ”と称された。同学年の上原はメジャー移籍が濃厚。来季は生え抜き投手で最年長となる33歳と織田信長には、そんな共通点?もある。
 来季中には海外移籍も可能なFA権を取得する。11月中旬に「30歳を過ぎて他球団や海外の野球も見たくなった」と来オフ以降に他球団への移籍の可能性も示唆している。21勝、日本一、そしてFA宣言。“尚成の野望”を実現するためにも、09年は真価が問われる。

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2008年12月5日のニュース