ヤクルト

[ 2008年12月5日 06:00 ]

10月12日、最終戦で史上初となる初打席と最終打席本塁打を放ち、川本(左)と飯田コーチ(右)に泣きながら出迎えられる小野公誠

 先月末の球団納会後。高田監督から「パソコン頑張れよ!」と声を掛けられた小野は頭をかきながら会場を引き揚げた。「慣れないけどパソコンは毎日触っています」。新たな職場は球団スコアラー。捕手の経験を生かして後方支援に回る。

 古田前監督にあこがれてヤクルト入り。“古田超え”は夢に終わったが「野球にも人生にも生かしていけることを言っていただいた」と感謝する。自己最多の62試合に出場した翌年の06年、持病の腰痛が椎(つい)間板ヘルニアという形で爆発。以降は腰、ひざ痛との闘いだった。
 今季10打席無安打で迎えた10月12日横浜戦(神宮)での引退試合。「涙で球が半分しか見えなかった」と夢中で振った打球は左翼フェンスを越えた。97年のプロ初打席も本塁打で、初打席と最終打席の一発は史上初の快挙。「一生懸命やっていればいいことがある」。プロ1年目のユマキャンプ中、同部屋の古田から送られた言葉を思い出していた。

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2008年12月5日のニュース