ローテ崩壊…和田「北京で得たものは何もない」

[ 2008年8月24日 06:00 ]

星野監督らナインは観客席に頭を下げる

 【北京五輪・野球 日本4―8アメリカ】夏の日差しが照りつける北京で、アテネと同じ3位決定戦の先発。しかし、和田にとっては4年前とまったく逆の、つらい結果となってしまった。

 「4年前のリベンジをと思ったけど。今は悔しさ、申し訳なさ、情けなさでいっぱいです」
 3回途中4失点降板。荒木、青木の2発による4点を守りきれなかった。キューバのブランコ球審の狭いストライクゾーンに苦しみ、際どいコースはすべてボールの判定。生命線のコーナーワークを殺され、力勝負を余儀なくされて2発を浴びた。「厳しいところは全部ボールにされた。でも、言いだしたらきりがない」。投手総動員態勢から指名された川上も、同じように力勝負で長打を浴びた。「すべて全力でやった結果です。五輪だけを目標にやってきたのに」とうなだれた。
 判定だけではない。米国代表は北京五輪公認ではないローリングス社製のロジンバックを持参。公認のミズノ社製よりも粘り気のあるタイプで、変化球を有効に使っていたが、あえて抗議しなかった。アテネを経験している大野投手コーチは「ストライクゾーンも含め、すべてに対応しないと勝てない」。さらに「大会通じてここぞの1イニングをしのげなかった。リリーフ専門を入れておけばというのはある」と選手選考の反省を口にした。
 先発7人と抑え3人の変則構成。本来先発の川上が3連投、5試合目となるリリーフで喫した初失点が、この日の決勝点だった。ダルビッシュの不振でローテーションが大幅に狂い、予選リーグチーム防御率1・60の投手陣が準決勝と3位決定戦で計14失点。「北京で得たものは何もない」。和田の言葉が北京の夏空にむなしく響いていった。

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2008年8月24日のニュース