千葉経大付 冷や汗サヨナラ4強

[ 2008年4月2日 06:00 ]

<千葉経大付・長野日大>延長11回裏2死一、二塁、サヨナラ打を放った久保田(中央)は、ナインと抱き合って喜ぶ

 【千葉経大付8-7長野日大】勝利の女神は千葉経大付にほほ笑んだ。第80回選抜高校野球大会第11日は1日、甲子園球場で準々決勝を行い、7点差を追いつかれながら、延長11回サヨナラ勝ちで4強進出。松本監督は「甲子園は簡単に勝たせてくれないところ」と冷や汗をぬぐった。

 7―1で迎えた7回にエース斎藤がつかまった。「抑えようと投げ急いで腕が振れなくなったのと気の緩みが出てしまった」と4連打に味方の失策や四球も絡んで5失点。8回にも1点を失い同点とされたが、ここから踏ん張った。「後攻だから同点のまま抑えれば絶対勝てる」。小学生のころ、漁師の祖父・昭夫さん(76)のエビ網漁を手伝い、網を引き上げることで鍛えた下半身の粘りが最後に生きた。延長10回2死満塁のピンチを何とかしのぐと、続く11回も無失点。その裏に2死一、二塁から久保田が右前へサヨナラ打を放ち、エースの自己最多188球の熱投に応えた。

 明大の先輩で、松商学園を91年センバツ準優勝に導いた敵将・中原監督を負かし、松本監督は「7回の反撃はさすがと思った。勉強させてもらった」と頭を下げた。苦しみ抜いてつかんだ4強。紫紺の大旗が見えてきた。

 <長野日大 上村177球力尽く>延長11回2死一、二塁、エース・上村が177球目の真っすぐを久保田に右前へ運ばれて力尽きた。3回戦(29日、対北大津)で4安打完封勝利を挙げた右腕が、この日は3回までに7安打、4四死球、7失点の大乱調。「直球を狙われていた」と涙を浮かべた。それでも打線は意地を見せた。千葉経大付の好投手・斎藤を攻め立て、7点差を追いつく驚異の粘りを発揮。延長10回には2死満塁の勝ち越し機を逃し、中原監督は「残念。ここまできたら勝ちたかったなあ」と目を真っ赤にして悔しがったが初出場での8強に「全国で通用することが分かった」と手応えを感じていた。

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2008年4月2日のニュース