チェンにひねられ巨人“暗闇”5連敗

[ 2008年4月2日 21:06 ]

2回途中、山本昌をリリーフし、プロ初勝利を挙げた中日・チェン

 【中日3―0巨人】中日が4連勝。5回に谷繁の二塁打で先制し、6回に和田の右犠飛、9回には谷繁が適時打して加点した。山本昌が2回に背中を痛めて降板したが、2番手のチェンが好投して初勝利をマーク。巨人は2安打で封じられ、開幕5連敗。

 ≪ついに球団ワースト…≫巨人は打線の不振が続き、ついに開幕からの連敗が球団ワースト記録の「5」に伸びた。
 試合の流れを引き寄せる好機が序盤に訪れた。中日の先発、山本昌が2回途中に負傷で降板。1死一塁で阿部はチェンの代わりばなをとらえられず、併殺に倒れた。3回も先頭の谷が四球で出塁したが、後が続かなかった。
 ピンチを切り抜けたチェンに、7回まで安打1本と好投を許し、8、9回も鈴木と岩瀬の前に3者凡退。最後まで中日ペースで試合は進み、巨人は16イニング連続無得点。この日はわずか散発2安打に終わった。
 ラミレスやクルーンを獲得しての大型補強で優勝候補に挙げられながら、いきなり大きくつまずいた。ケガで主力の1軍合流が遅れたため、原監督はオープン戦を終えた時点で「本気で勝ちに行く試合ができなかったことは気掛かり」と心配していた。
 この5試合で不安が現実となった指揮官は「このメンバーがしっかりしてくれないと」と、今のところ大きな打線の組み替えは考えていないという。そして「まだシーズンは始まったばかり。この悔しさを全員で受け止め、それをはね返す。それしかない」と語気を強めた。

 ≪3年ぶり1軍マウンドで快投≫アクシデントを今季育成枠から支配下選手に復帰したチェンが救い、中日が4連勝を飾った。
 2回1死一塁、先発の山本昌が阿部にカウント1―3としたところで背中の張りを訴えて降板。急きょチェンが「キャッチボールを5球くらいしただけ」で3年ぶりの1軍マウンドに上がった。「何も考えずに全力で投げた」という初球のストレートで併殺打に切り抜けると、その後も7回まで投げて1安打を許しただけ。プロ初勝利に「うれしい」と端正な顔がほころんだ。
 台湾出身の22歳。1昨年オフに左ひじの手術を受け、昨年は育成選手としてリハビリに励んだ。この日の結果で、目指している先発入りも現実味を帯びてきた。好救援した左腕に、普段は言葉が少ない落合監督も「あのケースで良く投げた」と最大の賛辞を送った。

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2008年4月2日のニュース