2軍降格決まって中田“再出発弾”

[ 2008年3月14日 06:00 ]

<イースタン教育リーグ 日本ハム・湘南>4回裏1死一塁、打球をヘルメットに当てる日ハム・中田

 不振が続いていた日本ハムの怪物ルーキー・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が開幕を2軍で迎えることになった。12日夜に都内ホテルで梨田監督から開幕2軍スタートを通告された中田は13日、イースタン教育リーグ・湘南戦(鎌ケ谷)に5番・一塁で出場。“再出発1号”となる130メートル弾を放った。また、ヤクルトの157キロ腕、由規(18=仙台育英)も開幕2軍が決まるなど、話題のルーキーにとっては“厳しい春”となった。

 カブレラばりの“マサカリポーズ”が中田の吹っ切れた心を表していた。「猫背になっていたし、最初に戻してみようと思った」。2月10日の阪神戦、初の練習試合で場外弾を放って以来のパフォーマンスだった。1100人のスタンドのファンを沸かせると、3球目だ。1日、横浜とのオープン戦以来実戦20打席ぶりのアーチをバックスクリーン左へぶち込んだ。
 「久々に思い切ってバットが振れたところを、梨田さんに見せられてうれしかったです」。ネット裏で視察していた指揮官から前夜、都内ホテルの部屋に呼び出され、2軍落ちを通告された。オープン戦17打数2安打、打率・118の結果に突きつけられた現実。「フリー打撃は自信あるけど試合は駄目。そんな選手は自分でも使えない。もっと早く気付いていればよかった」。後悔と同時に冷静な自分もいた。
 得意の打撃に比べて守備、走塁を軽視。首脳陣から練習態度をしっ責された。それも今は「テングになる前にプロの厳しさを知ってよかった」と言える。「この1週間で野球に取り組む姿勢はよくなった。ここで真剣にやって生まれ変わってほしい」と山田GM。首脳陣は2軍で“野球漬け”となることが成長への最善策と判断した。試合後は、室内練習場で水上2軍監督と特守。「このままで終わりたくない」と負けん気も復活した。
 8月には北京五輪で主砲・稲葉がチームを離脱することが濃厚。指揮官は「その頃には上がってきてくれれば…。(再昇格まで)旅に出させる感じだよ」と話した。怪物ルーキーの真の4番ロードが始まった。

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2008年3月14日のニュース