二、三塁も守れる!坂本、一軍“内定”

[ 2008年3月14日 06:00 ]

<巨人・西武>4回裏2死一塁、坂本は左中間に先制タイムリー二塁打を放つ

 【巨人2―2西武】可能性は無限大だ!巨人の坂本勇人内野手(19)が13日のオープン戦、西武戦(岐阜)で先制二塁打を含む2安打をマーク。ベストメンバーで臨む16日以降の1軍帯同も決まり、開幕1軍を“内定”させた。首脳陣は本職の遊撃だけでなく二塁、三塁もこなせる2年目の19歳を高く評価。左ひざ手術で調整が遅れている二岡、小笠原、さらには二塁・脇谷もおびやかす存在に急成長した坂本が94年・松井(現ヤンキース)以来の10代開幕スタメンを狙う。

 一瞬、体勢を崩された。でも、ここからが並の19歳ではない。4回2死一塁。カウント2―1から帆足のチェンジアップは決して失投ではなかった。坂本は力みのない巧みなバットコントロールで低めに沈むボールを拾った。左中間を破る先制二塁打に、ベース上で誇らしげに胸を張った。
 6回無死一塁ではベンチからバントのサインもなく、期待に応えて好機を広げる中前打。「2本のヒットでアピールできたと思う」と目を輝かせた。若手の1軍サバイバル戦が始まった11日の阪神戦(スカイマーク)で4打数4安打。12日の阪神との練習試合は3打数無安打も不慣れな二塁、三塁の守備を無難にこなした。試合前に原監督からのアドバイスは「上体の力を抜け」。力みがあった前日から修正。すぐさま結果につなげた。内容ある2安打に指揮官も「(6回は)カウント2―3からよくつないでくれた」と目を細めた。
 高卒2年目。長嶋終身名誉監督から激励された宮崎キャンプの目標は「開幕1軍」だった。原監督は16日の阪神戦(東京ドーム)から開幕を見据え、ベストに近い布陣で臨む予定。当落線上の若手は15日が“カットライン”となるが、篠塚打撃コーチは「どんな球も対応し、これだけ成績を残してるんだから」と早くも1軍残留を明言した。
 現状なら開幕1軍はほぼ内定。さらに夢は広がる。これまではオフの左ひざ手術からリハビリ中の二岡次第で、遊撃での開幕スタメンの可能性がクローズアップされてきたが、篠塚コーチは「遊撃だけでなく、どこでも(二塁、三塁も)守れる」。二岡と同じく、ようやく9日に屋外フリー打撃を始めた小笠原が守る三塁、現時点では脇谷が一番手の二塁での開幕スタメンを狙えるまでに成長したことを認めた。守れるポジションが3つあれば出場機会は増える。3月28日の開幕ヤクルト戦(神宮)スコアボードに、巨人史上14年ぶりに10代選手の名前が刻まれる可能性も高まった。
 帰りの新幹線を待つ駅で多くのファンに囲まれた坂本。それを見つけた原監督は「あいつ、頑張ってるな…」とポツリ。あどけない表情が残る19歳には“何か”を感じさせるスター性がある。

続きを表示

2008年3月14日のニュース