長谷部ケガ 開幕どころか前半絶望か

[ 2008年3月9日 06:00 ]

左ひざの半月板を痛めた長谷部は、慎重な足取りで階段を降りて引き揚げる

 ノムさん大誤算!楽天の大学・社会人ドラフト1巡目・長谷部康平投手(22=愛知工大)が左ひざの半月板を損傷していたことが8日、明らかになった。2、3週間様子を見るが、痛みが引かなければ手術に踏み切る可能性が高く、開幕はおろか、最悪の場合、前半戦も絶望。即戦力左腕を高く評価し“優勝宣言”までした野村克也監督(72)は一転して「最下位宣言」するなどショックを隠せなかった。

 完全に戦意喪失だった。野村監督の顔から生気が消えた。即戦力左腕のよもやの重傷に、いつものぼやきは弱気に変わっていた。
 「重症だから困るな。思ったより悪かったらしい。復帰は手術したら早くても7月。前半戦は絶望や。ついてないなオレも。最下位やな」
 ここまで練習試合を含めた対外試合2試合は9イニングで無失点、被安打はわずか1。指揮官が「今年は田中、長谷部の2人に頑張ってもらうしかない。140試合、田中、長谷部、田中、長谷部でいけないかな」とジョークを飛ばすほど期待は大きかった。田中との若き両輪は楽天の象徴とも言える存在だっただけに「これで2年連続の新人王はパーや」と嘆いた。
 長谷部が故障したのは、オープン戦初登板となった2日のロッテ戦(長崎)。初回2死無走者から竹原の一邪飛を追った際に、一塁手のフェルナンデスとの接触を避けようと急に止まった際に左ひざをひねった。当初は軽傷と思われていたが、7日に名古屋市内の病院でMRI(磁気共鳴画像装置)検査などを受け、左ひざ外側の半月板に横断裂があることが判明。南谷チーフコンディショニングコーチは「手術かどうかは2、3週間後に痛みや腫れが引いてから判断する。手術したら復帰まで4カ月。3月中に手術しても7月後半、球宴明けになる」と説明した。
 本来なら開幕3戦目となる23日のソフトバンク戦(ヤフードーム)でデビュー予定だった長谷部は「痛みを感じるほど走ってもいないし…、早く治したい」とショックを隠すように前を向いた。悲願のAクラス入りへ唯一の“大型補強”がまさかの離脱。開幕を約2週間後に控え、野村監督の構想に大きな狂いが生じた。

 ≪星野ジャパンも“残念だ…”≫長谷部の故障に星野ジャパン首脳陣もショックを受けた。唯一、アマから出場した昨年12月のアジア予選(台湾)では、貴重な中継ぎ左腕として3試合すべてにリリーフ待機。大野投手コーチ(本紙評論家)は「ケガが一番心配だった。ある意味、楽しみにしていた投手なので残念」。前半戦絶望となれば今月末に選出する1次候補(約70人)から外れるのは確実で「楽天にとっても痛手でしょう。こうなった以上、しっかり治してほしい」と話していた。

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2008年3月9日のニュース