マー君 岩隈と“Vローテ”

[ 2008年2月3日 06:00 ]

降りしきる雨の中、さとうきび畑の脇を田中がダッシュする

 2年目もマー君に死角はない。楽天・田中将大投手(19)が沖縄・久米島キャンプ2日目の2日、早くもフリー打撃に登板した。第1球を投げた途端に雨が降りだす「雨男」ぶりで周囲を大爆笑させたが、打者2人に対し43球中、安打性の当たりは3本と新人王の貫録を披露。順調な08年のスタートに首脳陣は“エース待遇”調整を容認。さらに、シーズンでは岩隈との2本柱をカード別に分ける“Vローテーション”構想も飛び出した。

 余裕の笑顔が成長の証だ。フリー打撃登板の第1球。田中が振りかぶった瞬間、雨が降りだした。グラウンドに響くナインの「ヘーイ、マー君」のブーイング。昨年、ことごとく初登板が雨になった“雨男”は「さあ、投げようと思ったらバーって降ってきた。これで決定づけられた」と苦笑いしたが、新人王の風格に、雨も気後れしたのか強くはならず、08年初登板を屋外で投げ切る上々のスタートを切った。
 昨年の2月9日より1週間早いフリー打撃登板。「バッターとの感覚を意識しながら投げた。まずまずですね。バッターも2日目だしヒット性とか関係ないでしょ」とサラリと言ってのけたが、充実の内容だった。鉄平、平石に直球のみの43球を投げ安打性の当たりは3本のみ。ボールが11球と制球はやや乱れたが、平たんな地面に敷かれた人工芝の上での投球という悪条件を差し引けば心配無用だ。前日のブルペン投球を受け「マー君、2年目のジンクス何するものぞ」と言った野村監督も「ケガさえなければ大丈夫や」と再び合格点を与えた。
 順調な仕上がりに首脳陣は早くも“優勝ローテーション”構想を掲げた。紀藤投手コーチは「今年はエース級2人をカードの頭に分けたい。連敗しないし3連戦の初戦に勝てば後の2試合が戦いやすい」と説明。開幕投手が確定的な岩隈と田中をカード初戦に当てる意向に沿えば、3月25日のオリックス戦(京セラドーム)が今季の初登板となる。さらに紀藤投手コーチは「2ケタ勝ったヤツを慌てさせることはない。オープン戦も中5日、6日としっかり間隔を取って段階的に投げさせる」と“エース調整”も容認した。
 紅白戦登板も初戦の6日ではなく、10日以降に設定された田中も「一番の課題は真っすぐなので、どう磨いていくか。やることはたくさんありますから」と余裕いっぱい。決して派手ではないが、真価の問われる2年目に死角はない。

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2008年2月3日のニュース