宮原“課題”明確 回転不足ごくわずか「悪いジャンプじゃない」

[ 2018年2月12日 05:30 ]

平昌冬季五輪 フィギュアスケート団体・女子SP ( 2018年2月11日 )

美しい舞いを見せる宮原(撮影・小海途 良幹)
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 団体戦の女子ショートプログラム(SP)に出場した宮原知子(19=関大)は3―3回転の連続ジャンプで回転不足を取られ、68・95点と得点が伸びず4位だった。エフゲニア・メドベージェワ(18=OAR)が世界歴代最高81・06点を出す中、21日に始まるシングルに向け“課題”が与えられた。日本は上位5チームが進出するフリーに進み、ペアフリーを終えた時点で5位。きょう12日の残る3種目で、逆転表彰台を目指す。

 初陣で予想外の低評価を受けた。宮原の68・95点は、今季のSPで自己2番目に低いもの。得点が表示されると、演技後のガッツポーズから一転、え?という顔をした。

 「(3回転)トーループは大丈夫かなという感覚で降りられた。点数が出た時は、ジャンプが全部アンダー(回転不足)を取られたのかなと思って、ちょっと悔しかった」

 大きなミスがない中で伸び悩んだ原因はたった一つ。連続3回転ジャンプのルッツ―トーループの両方で、回転不足を取られたことだった。

 今季11度目となった3回転の連続ジャンプ。回転不足を取られなかったのは3回しかない。昨季は10回跳んで6回が完璧だった。左股関節疲労骨折による長期離脱を経て、成功率は60%から27%に落ちたことになる。個人での勝負を前に課題を突きつけられたが「あんまり悪いジャンプとは思っていません」と修正には自信を見せた。

 06年トリノ五輪の荒川静香の金メダルが、冬の祭典への憧れのスタート。思いはいちずだった。関大高在学中には「オリンピックに魔物がいるのか」という論文も執筆。10年バンクーバー五輪代表の織田信成や荒川の言葉を参考に書き上げた。結論は「魔物は自分でつくり出すもの」だった。

 「演技自体はそんなに悪くなかったと思うので、個人戦に向けてしっかり頑張りたい」

 メドベージェワらに後れを取る4位は、21日からの個人戦への発奮材料にすぎない。幼少時、1カ月半程度で跳ぶはずの1回転半ジャンプの習得に1年もかかった不器用な少女。今や日本のエースに成長した19歳は、これまでのスケート人生と同じように、追いかけ、追い抜いていくはずだ。

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2018年2月12日のニュース