美帆さあ頂点へ 1500MはW杯4戦4勝「さらに強い気持ちで」

[ 2018年2月12日 05:30 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子1500メートル ( 2018年2月12日 )

入念にアップする高木美
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 いざ頂点へ――。12日に行われるスピードスケート女子1500メートルで、高木美帆(23=日体大助手)が日本女子初の金メダルを目指す。今季W杯4戦全勝の主戦場は、日本が誇るオールラウンダーが最高に輝ける舞台。10日の3000メートルで5位に終わった悔しさをぶつけて悲願を達成する。また、短距離エースの小平奈緒(31=相沢病院)も同種目で今五輪初レースを迎える。

 ここ2シーズンで急成長を見せた種目のスタートが、刻一刻と迫っている。12日、夜9時30分号砲に合わせて、高木は練習のため日が沈む頃に会場入り。照準を合わせてきた本職に向けて高鳴る鼓動を抑えるように、23歳はリンクの感触を確かめた。

 前日は女子3000メートルに出場。オランダ勢に主役を奪われたが、低地での自己ベストを塗り替えて5位入賞を果たし、残る3種目に弾みをつけた。自身8年ぶりの五輪で成長を実感し「今までの、どの大会よりも集中して仕上げてくる努力をしてきたなと思っている」と胸を張る。目つきも変わり「1500メートルはさらに強い気持ちで挑みたい」と表情を引き締めた。

 ソチ五輪の女子1500メートルは、オランダ勢が表彰台を独占。強国の中心にいるのがソチ銀メダルのブストだ。10日の3000メートルは銀だが、先に滑った母国の後輩を上回れずレース後は怒りを爆発させた激情家。1500メートルは高木にとってもブストにとっても雪辱を期する舞台となる。気迫で勝負するベテランに勝てば、日本女子史上初の金メダルも見えてくる。3000メートルで同走し、先着されたデヨングも侮れない。

 平昌五輪本番を想定した日程となった昨年12月末の五輪代表選考会(長野)は、最初の3000メートルではタイムを伸ばせなかった。だが、続く1500メートルでは国内最高記録を更新。1レースをこなし気合が乗った状況は今回と同じ。「3000メートルは練習段階でまだ100%しっくりきていなかった。短い距離ではイメージがだいぶ良かった」と言い切った。勝負の時を迎えた23歳の目の色が変わった。

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2018年2月12日のニュース