井上 五輪初切符!ロンドン逃し一度は引退も再起

[ 2016年3月21日 05:30 ]

男子グレコローマン66キロ級準決勝、カザフスタン選手(下)を破り、五輪代表を決めた井上智裕

レスリングリオデジャネイロ五輪アジア予選最終日

(3月20日 カザフスタン・アスタナ)
 グレコローマンスタイル66キロ級の井上智裕(28=三恵海運)が優勝し、上位2人に与えられる出場枠を獲得して五輪代表に決まった。フリースタイル86キロ級の松本真也(31=警視庁)は準決勝で屈した。同125キロ級の山本泰輝(19=拓大)とグレコ98キロ級の斎川哲克(30=栃木・足利工高教)は初戦で敗退した。五輪予選は今後、2度の世界予選(4月・モンゴル、5月・トルコ)が行われる。

 完全アウェーの雰囲気の中、井上が準決勝で地元カザフスタンのチュハロフを撃破。感極まった表情で「ずっと五輪に出ることが夢だった。やっとここまで来られた」と喜びをかみしめた。

 出場枠を懸けた激戦は立ち技で譲らず寝技勝負となった。2度の防御で投げをこらえ、第2ピリオドの唯一の攻撃で相手をひっくり返し、2点を奪取。2―1で競り勝って勢いに乗ると、決勝ではロンドン五輪王者ノルージから残り6秒でポイントを奪い、3―3の内容差で金星を挙げた。

 ロンドン五輪出場を逃し、一時は引退を決めた。だが、最後の試合と位置付けた12年の全日本選手権で優勝し、闘争心に再び火がついた。74キロ級や71キロ級で力をつけ、リオデジャネイロ五輪へ向けて昨年から66キロ級へ参戦。全日本選手権を制し、最初の五輪予選できっちりと結果を出した。

 ◆井上 智裕(いのうえ・ともひろ)全日本選手権は12年に74キロ級、14年に71キロ級、15年に66キロ級で優勝。13年アジア選手権74キロ級3位。兵庫・育英高、日体大出、三恵海運。1メートル70。28歳。兵庫県出身。

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2016年3月21日のニュース