地道なロビー活動重要「IOC委員の竹田さんへの期待は大きい」

[ 2013年8月7日 06:00 ]

20年夏季五輪開催地決定まで1カ月 猪谷IOC名誉委員が展望

 過去、最有力候補に挙げられながら、夢舞台に届かなかった都市を知っている。猪谷氏の脳裏に深く刻まれているのが、88年夏季五輪の開催地を決めた81年のIOC総会、98年冬季五輪を長野が勝ち取った91年のIOC総会だ。

 「88年は名古屋とソウルが争って、最後の最後に大どんでん返しを食らってソウルに決まった。長野が勝った時も、ソルトレークシティーが絶対的に有利と言われていた。そういうことが起こり得る。だから、絶対に油断は禁物」

 7月3日の開催計画説明会が終わり、IOC委員を前にしたプレゼンの機会は、投票当日の9月7日だけ。残された時間は、地道なロビー活動で東京の魅力を訴えていくことになる。日本人のIOC委員は現在、招致委員会の理事長を務める竹田恒和氏(65)ただ1人だ。

 「全然、IOCを知らない人がロビー活動をしようと思っても、それは不可能。日本で唯一のIOC委員の竹田さんにかかる期待は大きい」

 イスラム圏初の五輪開催を目指すイスタンブールに比べ、東京は開催理念が不明確という指摘がある。「自分のハートにアピールするものがない」と話すIOC委員もいるという。そういった委員を“東京派”に心変わりさせるためには、良好な人間関係の構築が求められる。

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2013年8月7日のニュース