貴親方満足 異例のプロアマ交流戦「文化の継承大事」

[ 2012年10月21日 06:00 ]

プロアマ交流戦で幕下の渡辺(右)を上手投げで破った鳥取城北のイチンノロブ

 大相撲の貴乃花親方(元横綱、スポニチ本紙評論家)が中心となって企画した若手力士とアマチュア相撲の強豪高校とのプロアマ交流戦が20日、宮崎県椎葉村で行われた。プロ側の呼び掛けによる異例の交流戦。底辺拡大や相撲人気回復のきっかけとするのが狙いだ。

 大会は1チーム3人の団体戦で行われ、プロ側は貴乃花部屋と立浪部屋の幕下以下の力士が各部屋で2チームをつくり、アマ側からはインターハイ常連で関脇の妙義龍や豪栄道を出した埼玉栄、元大関の琴光喜や十両の貴ノ岩の母校・鳥取城北、文徳(熊本)が参加。全7チームで総当たり戦を行い、6戦全勝で埼玉栄が優勝した。

 貴乃花親方は「(大相撲の)何百年という(歴史の)中で異例なこと。高校生が勝ったがアマとかプロとか垣根は必要ない。土俵は一つ。相撲文化の継承が大事」と前向きに話した。幕下上位で参加した渡辺(貴乃花部屋)は「久しぶりの団体戦で楽しかった。プロもアマもお互いに刺激し合っていけばこういう大会もいいんじゃないですか」とアマのレベルを評価した。来年も同様に交流戦が行われ、参加高校も10校以上に増える予定だ。

 ≪埼玉栄が優勝≫岐阜国体を制した埼玉栄がその勢いのままでプロを押しのけて優勝した。大将の矢後太規(3年)はリーグ戦6戦全勝で優勝の原動力となった。敢闘賞を受賞した矢後は「最初は緊張したけど、だんだんと体が動くようになった。プロに勝てて自信になった」と笑顔。卒業後は中大に進学する予定。「大学で頑張ってプロに行きたい」と話した。異例のプロアマ交流戦で優勝した山田道紀監督は「これからもプロとかアマとか関係なくやっていけたら」と貴乃花親方の考えに賛同していた。

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2012年10月21日のニュース