浜口3大会連続五輪へ「心の底からホッとした」

[ 2012年4月2日 06:00 ]

五輪出場枠を獲得し、父のアニマル浜口さん(右)、母初枝さん(左)と喜ぶ浜口京子

レスリング ロンドン五輪アジア予選最終日

(4月1日 カザフスタン・アスタナ)
 女子72キロ級で浜口京子(34=ジャパンビバレッジ)は決勝で北京五輪金メダルの王嬌(オウキョウ)(中国)に敗れたものの、各階級上位2人に与えられるロンドン五輪の出場枠を確保した。日本協会の女子強化委員会は浜口を五輪代表に推薦する方針で、3大会連続の五輪出場がほぼ確実となった。また、男子グレコローマンスタイル96キロ級の斎川哲克(26=両毛ヤクルト販売)も決勝に進出。日本協会の選考基準を満たし、初の五輪代表に決まった。これで女子は全4階級で五輪枠を獲得。男子はフリー、グレコとも4階級で五輪枠を手にした。

 五輪出場枠獲得を決めた準決勝は、開始26秒でウズベキスタン選手にフォール勝ちした。3大会連続の五輪出場をほぼ確実にすると、浜口は真っ先に父親のアニマル浜口さんと母親の初枝さんを見て、手をたたいて喜んだ。「世界選手権からきょうまでずっと緊張感のある、張り詰めた生活をしていたので、肩の荷が下りた。心の底からホッとしている」と安どの笑みを浮かべた。

 昨年9月の世界選手権(トルコ・イスタンブール)で2回戦敗退。他の五輪実施3階級で日本勢が金メダルを獲得した中で、ただ1人、五輪出場枠すら確保できなかった。北京五輪前と同じ悪夢に、父のいたスタンドでおえつを漏らした。「半ばやる気はなくなっていた」。34歳。引退の道もちらついた。

 だが浜口には、レスリングを嫌いになることができなかった。「周りの人のためじゃなく、自分のために戦いたい」と立ち上がり、昨年12月の全日本選手権で鮮やかに復活V。「自分でもよく立ち直ったと思う。今は、自分の中に何かがあるような気がするし、信じ切りたい」

 直前合宿では63キロ級で五輪出場を決めている伊調馨(27=ALSOK)や、同階級でアジア選手権を戦った経験がある新海真美(26=アイシン・エィ・ダブリュ)が仮想ライバルとして、サポートに回った。

 北京五輪準決勝で敗れた王嬌との決勝では第1ピリオドで先手を取ったもののタックルを防げずに逆転された。五輪本番でのリベンジと悲願の金メダル獲得こそが、仲間への恩返しとなる。

 ◆浜口 京子(はまぐち・きょうこ)1978年(昭53)1月11日、東京都出身の34歳。元プロレスラーの父・アニマル浜口さんの浜口道場でボディービルを始め14歳でレスリングを開始。96年、全日本選手権70キロ級で初優勝。97年には世界選手権75キロ級を初制覇し、同階級を3連覇。02、03年も72キロ級の世界女王となった。アテネ、北京五輪は連続銅メダル。1メートル70。

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