坂本復活V2!被災の地元・青森にメッセージ込める

[ 2011年5月1日 06:00 ]

<全日本選抜レスリング選手権大会 女子48キロ決勝>三村(右)を攻める坂本(左)

レスリング全日本選抜選手権最終日

(4月30日 国立代々木競技場第2体育館)
 青森・八戸出身の坂本日登美(30=自衛隊)が女子48キロ級を連覇し、世界選手権(9月、トルコ)代表に決まった。一度は引退しながら、昨年の世界選手権で金メダルを獲得。ロンドン五輪出場権がかかる今年、東日本大震災で被災した地元に“復活”のメッセージを込める。同じ八戸出身の伊調馨(26=綜合警備保障)も63キロ級を制覇。男女3スタイル21階級のうち、18階級で世界選手権代表が決まった。

 一つ一つの戦いに思いを込めて、坂本が再び世界選手権切符を獲得した。3試合で4失点を喫した戦いぶりに「ディフェンスに課題があった」と反省したが「こういう時期に私にできることはレスリングしかないから」と安どの表情を見せた。

 3月11日、八戸への帰省途中で東日本大震災が起きた。家族の無事は確認できたものの、父・清美さん(57)の勤める金属工場が被害を受け、ランニングコースだった浜辺も原形をとどめていないことを知った。「こんなときだから、頑張ってほしい」という実家からのエールを受けて立ったマット。勝つことだけが「できること」だった。

 09年12月の現役復帰の理由となったのは妹・真喜子さん(25)の引退。その妹は来月、出産予定で実家に滞在中だ。「妹は子供を連れてロンドンに行きたいと言ってる。もう、私だけの夢ではない」。今年の世界選手権で連覇を達成すれば、五輪出場が大きく近づく。坂本は「一度は引退した私が勝つことで、どこからでも立ち直れるということを伝えたい」と使命感を口にした。

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2011年5月1日のニュース