真央 3回転半不発…6位も「今の調子で最高の演技」

[ 2011年5月1日 06:00 ]

女子フリーで演技する浅田真央

フィギュアスケート世界選手権最終日・女子フリー

(4月30日 ロシア・モスクワ)
 連覇はならなかった。ショートプログラム(SP)で7位と出遅れた前回優勝の浅田真央(20=中京大)は30日のフリーでもトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が2回転半と判定され、114・13点にとどまり、合計172・79点で6位に終わった。初出場でSP10位の村上佳菜子(16=中京大中京)はジャンプにミスが出て112・24点。合計167・10点の8位だった。

 世界選手権自己ワーストの6位に終わっても、浅田は気丈に振る舞った。「100%の出来ではなかったけれど、今の調子では最高の演技ができたかなと思う」。シーズン最後の大事な試合で、調子を合わせることができなかった。

 SPに続きトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑んだが、結果はSPに続いて回転不足となった。その後も2つのジャンプでミスし、スピンでもぐらついた。得点は伸びず、トップとは23点差。連覇は遠かった。

 トリプルアクセルへのこだわりが裏目に出た。「少しストイックになりすぎた。早く体重を落としすぎた」と調整に失敗してパワーが落ちた上に、調整も遅れた。それを考慮して、佐藤信夫コーチはSPで安全策を勧め、フリーも「定石でいくと(トリプルアクセルは)なし」と話していた。昨年12月の全日本選手権SPでは浅田の強行策が奏功したが、今大会はSPもフリーも挑戦して失敗。浅田は「(トリプルアクセルは)ずっとやってきているので跳びたかった」と絞り出した。昨秋から師事する69歳の名伯楽と、20歳の意思疎通はならなかった。

 世界選手権に向けた仕上げの段階で腹痛に襲われ、2日間も練習を休んだ。今季は筋力トレーニングを担当してきた専属トレーナーと離れて自分で調整してきたが、東日本大震災の影響で開催地や日程が変更されたこともあり、心身の準備が整わなかった。タイトルは安藤に譲り、復帰したばかりのライバルキム・ヨナにも大差をつけられた。

 オフにジャンプを基礎から見直すなど、今季は14年ソチ冬季五輪に向けた再出発のシーズンだった。収穫もあったが多くの課題も残った。それでも浅田は止まらない。悲願の五輪制覇へ、歩みはまだ始まったばかりだ。

 ▼佐藤信夫コーチ 私も今回ばかりは手探り状態でここまで来た。終わってみると(浅田は)平均的な力は出したと思う。いいときもあれば、ミスもあった。そういう中でやってきた。

続きを表示

この記事のフォト

2011年5月1日のニュース