引退は「日本側の圧力」!モンゴル激怒

[ 2010年2月5日 06:00 ]

 横綱・朝青龍の故郷モンゴルでは、突然の引退表明を受けて日本への怒りが爆発した。大鵬の優勝32回という大記録を抜かれることを恐れ、「日本側が圧力をかけたためだ」とする不満が噴出した。

 モンゴル人として初めて大相撲で横綱に上り詰めた朝青龍は、モンゴルを代表する国民的英雄。その動向には同国内でも関心は極めて高く、テレビ局が引退表明を速報するほどだ。
 そんな中、大統領府高官が「日本側がいわゆる“暴行事件”を乱用して相撲界から引退させたということではないか」と発言。「日本人力士の優勝回数記録を突破されることを嫌がったのだろう。日本の行動は不正義だ。モンゴル国民は不満を持っている」と厳しく批判した。大鵬の持つ優勝記録32回に対し、朝青龍は25回。今後の活躍次第では記録更新も十分考えられただけに、故郷のファンの恨み節のようにも聞こえる。
 共同電によると、市民の間では「横綱はモンゴルの誇りだっただけに、引退は非常に残念」(女性医師)と惜しむ声とともに「“郷に入れば郷に従え”で仕方ないかもしれないが、引退は日本相撲協会の圧力だ」(会社員)と「圧力説」が多く聞かれた。インターネット上でも朝青龍を擁護する書き込みが掲示板などで数多く見られる。
 一方、朝青龍の先輩格に当たり、今はモンゴル国民大会議(国会)議員をしている大相撲の元小結旭鷲山、ダバー・バトバヤル氏(36)は「モンゴルの名誉を高めた強豪横綱として感謝している。これからも輝かしい人生を歩み、モンゴルから朝青龍、白鵬に続く横綱が誕生することに貢献してくれるよう期待したい」と、ねぎらいの言葉を贈った。

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2010年2月5日のニュース