入江 百は“平凡V”も二百は「世界新狙う」

[ 2009年6月6日 06:00 ]

まず100mを制しインタビュー後にガッツポーズを見せる入江陵介

 競泳のジャパン・オープン第1日は5日、東京辰巳の国際水泳場で行われ、入江陵介(19=近大)が国際水連(FINA)の認可水着、英スピード社のレーザー・レーサー(LZR)を着用して男子百メートル背泳ぎに出場し、53秒31で2連覇を飾った。期待された世界記録52秒54には遠く及ばず、自身の持つ日本記録からも0秒75遅いタイムだったが、6日は世界記録公認が宙に浮いている注目の二百メートルで世界新を目指す。

 ゴールした入江はじっと電光掲示板を見つめ、何度もタイムを確認した。53秒31。「正直、世界記録はきついと思っていたけれど、52秒台は出したかったので少し悔しい」。未認可のデサント社のラバー水着で出場した5月の日豪対抗で52秒56をマークし、世界記録に0秒02まで迫ったが、認可水着のLZRを着た今回は後退。同じLZRを着て出場した4月の日本選手権よりも0秒12遅かった。

 記録が伸びなかった最大の原因は疲労だ。4月以降、長水路は既に3大会目。泳ぎ込みが不足しているため、大会前の練習量を落とさなかった。「後半きつくて、ラスト15メートルで体が止まってしまった」と後半50メートルで大きくラップを落とした。それでも、日本選手権で完敗した古賀には雪辱を果たした。スタートからの浮き上がりでバサロを得意とする古賀に約50センチ離されたものの、前半で追いつき、50メートルのターンでは0秒16差をつけて逃げ切った。「今まではスタートやターン後に離されるのが当たり前だったけれど、それほど離されなかった」と重点的に強化しているバサロキックに自信を見せた。

 今大会は周囲の期待にかつてない重圧を受けて臨んでいるが、前夜は仲間と出かけたトンカツ店で「特選ジャンボロースカツ定食」を平らげたほど食欲旺盛で、前向きな気持ちを維持している。6日はさらに注目される二百メートル。日豪対抗でロクテ(米国)の世界記録を1分08秒上回った1分52秒86は、未認可水着のため記録公認が宙に浮いたまま。「自信は40%」と冗談めかしたが、「二百に関してはしっかり狙っていきたい」と得意種目での真の世界新へ強いこだわりを示した。

 <女子百メートルバタフライ 28歳中西・貫禄V>北京五輪後初の長水路のレースで、28歳の中西が世界選手権代表を下して優勝。「思ってたよりタイムも結果も良かった」と笑顔だった。4月の日本選手権は欠場したが「4月から腹をくくって練習を始めた」と、現役続行を明言。「年齢も年齢なんで(笑い)。でも(選考対象となる)東アジアも選ばれれば頑張る。1年ごとやっていけば(ロンドン五輪も)あるかも」といたずらっぽく笑った。

 <男子百メートル平泳ぎ 立石不満の59秒台>立石が4月の日本選手権に続く59秒台となる59秒87をマークし、貫禄の優勝。それでも「後半に伸びがなかった。目標は58秒台なんで、59秒台の後半じゃ自信につながらない」と不満そうな表情を浮かべた。現在は世界選手権代表権を逃した二百メートルを中心に練習しているというホープは「世界選手権で活躍してなんぼ。北島さんの背中?全然ですね」と気持ちを切り替えていた。

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2009年6月6日のニュース